保険NEWS&TOPICS
バックナンバー一覧
 2017年2月のニュース
 2016年11月のニュース
 2016年10月のニュース
どんどん変わっていく保険と金融。
今年は新製品も多く、目が離せません!
FPからのアドバイスも注目。新しい保険の時代がはじまります。
                                                  
[2017-01-20]
 損保ジャパン日本興亜、大阪府内企業向けに限定プラン

  損保ジャパン日本興亜は大阪府と連携し、大阪府内に所在する企業を対象とした保険プランである「BCP地震補償保険 おおさかサポートプラン」「おおさかLite☆きょうだい」を開発し、1月6日から保険の案内を開始した。同社は2016年7月14日に大阪府と包括連携協定を締結しており、同商品はこれに基づいて開発したもの。  
 「BCP地震補償保険 おおさかサポートプラン」は、契約時に契約者が指定した震度計が「震度6強」または「震度6弱」以上を記録する地震が発生し、自社施設の損壊による営業停止の他、取引先の罹災(りさい)または電気・水道・ガスなどのインフラ停止により、営業が休止または阻害されたために生じる損失に対して保険金を支払う。
 その他の特長として、大規模地震の発生後、損失額を証明する資料が提出される前でも、その他の保険金請求書類の提出から30日以内に保険金を仮払いする。この仕組みにより、保険金を当座の運転資金として活用することが可能となり、キャッシュフローの悪化を防ぎ、事業継続をサポートする。
 さらに、建物の建築年月や構造級別に関係なく、全ての建物、設備・什器(じゅうき)、商品が保険の対象となる他、1口100万円から加入口数を選択できることで、予算に合わせた分かりやすい保険商品となっている。また、保険期間は5年間となるので、コストを確定させた上で、長期間にわたり補償を受けることができる。
 また、簡単なアンケートに回答することで、地震リスクに対する現状の取り組み状況を診断するサービス(地震BCM対応度診断)を提供し、BCPに取り組む上でのポイントおよび適切な対策などについて、リポートを行う。同サービスの提供はSOMPOリスケアマネジメントが担当する。
 「おおさかLite☆きょうだい」は、サイバー保険、生産物回収費用保険、国内知財訴訟費用保険の三つのニューリスクに対する新種保険に関して、それぞれ商品内容・引き受けを簡素化した商品。「Lite☆きょうだい」は既に2016年10月から発売しており、同商品は大阪向けにカスタマイズしたもの。
 同社では、同保険の販売開始と同時に、ニーズ喚起のためのサービスとして、契約の有無にかかわらず先着100企業に対して、標的型攻撃メール対応訓練サービスを無料で提供する。同訓練では、申し込み企業の従業員のメールアドレスに対して実際にメール送信を行い、メールに添付されたファイルを開封した訓練者の割合などをリポートにまとめてフィードバックを行う。
 募集パンフレットには南海トラフ巨大地震をはじめとする地震への備えとして大阪府が作成した「新・大阪府地震防災アクションプラン」や中小企業向け政策を記載しており、同社では、代理店などを通じて広く企業向けに保険を案内するとともに大阪府政のPRを行い、大阪府内企業の支援および地域産業の活性化に貢献していくとしている。

 
[2016-01-19]
 京海上日動とコラントッテ、保険付身元照会サービスで提携

  医療機器メーカーの潟Rラントッテ(大阪府大阪市、小松克已社長)は東京海上日動と提携し、1月11日から、不測の災害、急病などによる救急搬送や、認知症による徘徊(はいかい)などが起こった際に身元照会が容易になるシステム「CSS(コラントッテ・セーフティ・システム)」と保険をセットにしたサービスを開始した。同日、東京海上日動本社で行われた新サービス発表会には、コラントッテの小松社長と東京海上日動の高野耕一常務が出席し、サービスの概要や提携の背景などを説明した。
 同サービスでは、加入者にコラントッテが製造した磁気ネックレスとペンダントトップを提供。ネックレスを身に着けた加入者が事故や急病などに遭った場合、発見者や駆け付けた警察、消防などは、ペンダントトップに刻印されたフリーダイヤル(CSS管理センター)に身元照会できる。24時間、365日体制のCSS管理センターは通報を受けるとすぐに、緊急連絡番号や勤務先、個人宅など最大5件の登録先に連絡する仕組みになっている。  ネックレスのシリコンループ内には、希土類永久磁石が首回りに沿うように内蔵されており、血行改善やコリを緩和する効果がある。ペンダントトップは、キーリングタイプに付け替えて使うことができる。 同サービスには、東京海上日動が引き受ける交通事故傷害保険(死亡・後遺障害のみ最大100万円)と個人賠償責任保険(支払限度額3億円)が付帯される。サービス料金は、年額1万8000円(税別)、分割払いだと月額1500円(税別)になる。今後、9月までに10万件の加入を目指す。
   説明会で小松社長は、システム発案の経緯について説明。2014年5月に、行方不明になった認知症の老人が7年後に発見されたというニュースを見て「いたたまれなくなり、認知症による徘徊という社会問題の解決に協力できないかと考えた」と述べた。磁気ネックレスは健康器具であることから、認知症の老人でも身体から離さないことが期待できるとし、GPS機能や携帯電話といった電子技術を使わず、ペンダントトップにフリーダイヤルだけを記すことについては、「使いやすさ」「故障の心配がない」「個人情報の保護」などの利点を挙げた。また、今回の説明会の開催については「一人でも多くの人に知ってもらい、協力していただきたいと思った」と理由を明かした。 一方、高野常務は、今回の提携の経緯について「社会的課題を解決するためにCSSの開発・商品化に取り組むコラントッテの挑戦を保険商品の提供を通じてバックアップすることは、当社の経営理念に合致する」と説明。また、大阪に本社を置くコラントッテを支援することで、地方企業の東京進出や全国展開、関西経済の活性化にも貢献できるとの考えを示した。

 
[2017-01-18]
 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命、「フェミニーヌ」が好調

  損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「フェミニーヌ」の販売が累計14万件を超えている。同社は、1993年に女性向けの医療保険を発売。現在も販売が続いている「フェミニーヌ」は、幅広い世代から人気があり息が長く認知度も高い。「3年ごとの生存給付金」(入院給付金日額1万円の場合には毎回15万円)が入院や手術をした場合でも支払われることも人気のポイントで、保障内容についても、発売以来、見直しを重ね、最新の医療事情に即したものにしている。営業企画部の草地圭太課長代理は「生存給付金にスポットを当てられがちだが、保障の内容も充実しておりバランスの良い商品だ」と話す。
 「フェミニーヌ」は、販売に携わる代理店からの声を基に開発された商品で、当初から顧客のニーズを最大限に反映してきた。  現在のプランは1〜3の3種類があり、プラン1の場合、入院給付金は1日につき1万円、女性特有の病気・女性にも多い病気・すべてのがんでの入院にはさらに5000円を上乗せし、3年ごとの生存給付金は15万円。プラン2では、入院給付金は7000円と上乗せ保障が3000円、生存給付金は10万5000円。プラン3では、入院給付金は5000円と上乗せ保障は5000円、生存給付金は7万5000円。  このようにプランによる保障金額と保険料の違いはあるが、入院ではすべてのがん(悪性新生物)、女性特有の病気である子宮筋腫、卵巣機能障害等だけでなく、女性が罹患(りかん)しやすい甲状腺腫、クッシング症候群、鉄欠乏性貧血などの入院を特に手厚く保障する。手術は、約1000種類に対応しており、手術内容に応じた手術給付倍率を設けている。
 その他、退院祝金や、死亡保険金・高度障害保険金(死亡時に500万円、不慮の事故での死亡はさらに500万円を上乗せ)も付加されている。さらに、オプションで「医療用新先進医療特約」を付加すれば、先進医療の技術料が通算2000万円まで保障される。
 幅広い病気・けがによる入院を保障し、海外での入院も対象になる。また、切迫早産などの入院も保障する(正常分娩〈ぶんべん〉を除く)。  同商品は、代理店およびライフカウンセラーを通じた対面販売に加え、ネットなどを通じた非対面での販売も行っている。同社のホームページでは、分かりやすい商品説明と共に、既契約者の口コミ(顧客の声)を読むことができることも特徴だ。
 営業企画部ダイレクトマーケティング室の鈴木紀明課長は「もともとはカタログ販売会社とのタイアップやマネー雑誌への広告といった通販で販売していた。2003年から一般の代理店での販売も始まり、認知度アップについては、『チラシ』『PC向けの広告』『ガラケー(旧タイプの携帯電話)向けの広告』などと、その時代の最新の方法を取り入れてきた」と振り返る。例えば、バナー広告に関しては複数のパターンをつくって反響を確認するなどの検証にも注力してきた。
 契約は、顧客がネットや電話などで資料を請求すると、同社から申し込みキットを郵送、顧客が申込書を返送することで申し込みが完了するという流れ。現在では、スマホからの資料請求がメーンになっているという。ウェブでの商品広告に興味を持った顧客が画面をタッチすると、同商品専用のランディングページに遷移する仕組みで、顧客が資料請求をしやすい画面を構築している。
 また、口コミサイトには、「ボーナスは、5年ごとだと長く感じるが3年ごとだとうれしい」「出産して生活スタイルが変わったので保険を見直した」「同年齢の友達が乳がんになったことをきっかけに加入した」「貯金が苦手な私には向いている」「死亡時の保障も充実しているため、この商品に決めた」などの経験談やアドバイスが多数載っていることも安心感の提供につながっている。
 同社では「地道な広告掲載やお客さまとの接点強化を続けていきたい」としており、16年9月に立ち上げた、顧客に心地よく、楽しく、健康を維持してもらうことをコンセプトとした健康サービスブランド「Linkx(リンククロス)」では、女性向けの健康関連サービスの提供も検討している。

 
[2017-01-16]
 みずほ銀行、一時払い商品の販売ペース維持、タブレット活用が奏功

 みずほ銀行は、マイナス金利の影響下でも一時払い商品の販売ペースを維持している。今年度上半期の保険料は2000億円強で前年とほぼ同水準を確保。今年度から、「増やす」以外に、「遺す」「受け取る」「渡す」などの保険本来の機能を訴求した販売(保険の機能売り)に注力した結果、変額保険中心から「定期受取り」「即時年金」などのさまざまなタイプの商品がまんべんなく売れるようになったという。リーフレットやタブレットの活用も安定的な拡販をけん引。今後は、同行のメーン顧客である富裕層シニア向けに「介護」を打ち出す方針だ。
 同行では、外貨建ての一時払い商品を分かりやすく説明するためのリーフレットを作成。一時払い保険料の運用イメージを分かりやすく図で示している。従来の商品タイプを「ふやしてつかう」と表現し、定期収入を受け取って計画的に使うタイプは「つかいながらつなげる」、終身タイプで増えた分を毎年受け取れるタイプは「受け取りながらのこす」、一般的な定額終身保険を「しっかりのこす」として分類。安心感の提供とニーズ喚起に成功した。
 またタブレットでは、保険相談に対応するシステム「i―Chart」で、顧客の意向に合わせて順番に質問していくことで、最適な商品の絞り込みができる仕組みを構築。具体的には、画面ごとに表示される「月払いか一括払いか」「希望するのは、けがや病気への備えか、運用か」などを選択していき、さらに、年齢、資金、投資経験、現在の金融資産、金融知識、保有スタンス、リスク・リターンの希望などの質問に回答し、希望する運用スタイルを選べば推奨商品が出てくる。
 個人コンサルティング推進部営業開発チームの清水健人調査役は「新しいのは、顧客のリスク許容度の診断もできる点だ。グループ内のみずほ第一フィナンシャルテクノロジーが開発した国内初の仕組みで、この仕組みを活用することで、リスク許容度に応じた商品を勧めることができる」と話す。
 一方、同行では「ローンコンサルティングスクエア」を全国12カ所に設置しており住宅ローンの相談などに対応している。従来は、そこで出てきた保険の相談は近隣の営業店につないでいたが、今年からはローンセンター内で保険の相談ができるように保険担当の配置を開始した。今後は、保険担当者を常駐させるとともに、ローン担当者による保険販売の体制も検討するという。
 清水氏は「引き続き保険の機能を訴求した販売を推進したい。保険窓販では、貯蓄と親和性の高い商品から始まって、今ではさまざま商品をカバーするようになった。平準払い商品では、11月に販売を開始した当行初の外貨建て年金への反響が出てきたが、今後は、承継や介護に力を入れる。メーン顧客である富裕層シニアの承継・介護の潜在ニーズを顕在化させてコンサルできるのは銀行の強み」としており、この分野のラインアップを増やすとともに、行員のスキルアップも図る計画。特に、従来の富裕層向け運用商品にプラスして承継・介護商品を提案することになる渉外担当の教育にも注力する方針だ。

 
[201-01-13]
 エーオンベンフィールドジャパン、ディープラーニング活用

  エーオンベンフィールドジャパンは、ディープラーニング(深層学習)を用いた風災リスク評価の手法を開発した。今年の台風シーズンまでには運用が開始される予定で、現在、実用化に向けて最終調整を行っている段階だという。ディープラーニングを航空写真に適用することで屋根情報をデータベース化し、風災による被害を建物ごとに評価するというもの。開発に当たった同社の岡崎豪氏は「台風の損害査定業務が大きく変わる」と述べるとともに、建物ごとの評価・個別料率への適応を示唆する。
 屋根は台風による被害を最も受けやすく、1事故当たりに占める損害額も大きい。岡崎氏の研究において、屋根に関する情報データベースの構築は長年の課題だったが、近年のディープラーニング技術の発達によってそれが可能になったという。具体的には、ディープラーニングにより屋根の形状を学習し、学習したアルゴリズムを航空写真に適用することで、個々の建物の屋根形状を判別していく。ディープラーニングによる屋根形状の判定誤差は6%程度と正答率は高い。分析対象の建物数は約6500万に上り、小さな建物や工場内の建屋も個別に分析。全ての建物に固有コードを付与しており、国内の屋根画像は網羅した。
 実際の活用に当たっては、台風通過後、各地点で観測される観測風速と建物データべースを組み合わせ、建物ごとに被害の有無を判定していく。同氏は「台風による被害を発災直後に把握できれば、損害査定の応援要員を急派すべきかの意思決定を素早く行うことができ、被災者への迅速な支援が可能となる」と活用法を示す。現状、被災件数の把握は電話での確認が主な手段だ。しかし、これでは早くても数日を要するため、発災直後に被災の全容が把握できない。同システムは、被災直後の航空写真から被災建物を特定するのではなく、平常時の屋根の状態と観測風速から被災した家屋を推定するため、ほぼリアルタイムで分析結果が得られる利点がある。
 また同氏は、現行の火災保険の料率を整理する必要性を唱える。火災保険の支払保険金において最も大きな割合を占めるのは風災リスクだが、料率の区分は火災リスクに基づいて設計されているためだ。「風災に関しては同システムを活用して、建物ごとに評価し、個別料率を算出できる」という。料率の分類は最もリスクの低いAから最高のGに分割し、それをさらに細分化した。G評価は土地利用規制に近い効果をもたらすことになる。保険業界として、料率にこうしたメッセージ性を持たせることは社会的にも意義があると強調する。
 課題もある。航空写真が古く、解像度が低いためにディープラーニングによる判定精度が落ちてしまう地域がある。また都市部においては、数年に1回程度の撮影画像では街並みの変化に追い付かない。「最終的には毎年アップデートしていきたい」と言い、ドローンの活用に期待を寄せる。
 今後については、屋根以外の情報として建物階数や再調達価額などあらゆる情報をデータベースに追加し、火災・水災・盗難リスクなどの評価に取り組みたいという。「ディープラーニングの発展は著しいが、その技術の採用に固執はしていない。従来の機械学習の手法や外部データベースとの連携も含めて、それぞれのリスクごとにベストなものを採用していきたい」と展望する。

 
[2017-01-12]
 りそな銀行、平準払い商品の販売が過去最高

  りそな銀行は、平準払い商品の販売が好調だ。今年度上期の販売件数は1万4600件で、過去、一過性の理由で販売が増加した時期はあるものの、通常の販売では過去最高の実績を挙げている(15年上期8900件、同下期1万100件)。同社では「市場環境が厳しい中で、『保障ニーズ』の取り込みを図り、店頭や渉外でしっかり提案し結果が出た」としている。
 同社は、平準払い商品では、年金や介護保障(米ドル建て終身)に注力。医療・がん保険も約6000件(前年同期は3800件)と、リスクアプローチが奏功した。コンシューマービジネス部の吉岡史博グループリーダーは「備えるべき保障を提案する力がアップしてきた」と分析している。
 また、2016年3月に導入したタブレットによる「ペーパーレス保険申込システム」も販売をけん引する。入力画面は、保険会社ごとに異なる保険商品の申し込み手続きを共有化しており、保険申し込みの受け付け、金融機関側での承認、保険会社への申し込みデータ送付までの一連のプロセスを完結できる。同部の大賀智之担当マネージャーは「銀行で初めてタブレット申し込みを導入した。それによって、申し込み完了までにかかる平均時間が従来の45分から約20分になり、時間の短縮、コスト削減、不備の大幅削減が実現した」と話す。7月には全商品での利用が可能となり、新商品には随時対応する。
 一時払い商品については、円建て商品の販売停止や市場のリスクオフ傾向によって、外貨建て商品についても様子見する消費者が増加。そのため、上期の保険料は510億円と減少(15年上期1081億円、同下期870億円)した。今後は、本来の年金機能を重視した商品(16年7月に発売した第一フロンティア生命の通貨指定型個人年金保険「安心ながつづき」、同年9月に発売した通貨選択型特別終身保険「やさしさ、つなぐ」)などで、拡販に結び付けたい考えだ。
 また同社では、販売体制も強化している。ライフプランや資産背景、家族状況などをしっかり聞いて総合的な提案を行う「セールス革命」を打ち出しており、各店に1人のコンサルティング型営業推進リーダー(CL)を配置し、本部のサポート部隊であるコンサルティングアドバイザー(CA)10人が推進リーダーをサポートする。
 年中無休で金融商品の相談ができる「セブンデイズプラザ」などの拠点は、当初の想定通りに現役世代(資産形成層)の来店が約9割と、狙い通りの成果を出しており、今後ともターミナルを中心に拠点を拡充する予定だ。
 吉岡氏は、さらに「12月1日には、当社とネオファースト生命による『女性プロジェクト』が商品開発に関わった、健康なら保険料が下がるという新商品『健康革命』を発売し、業界内外から注目されている。これからは、顧客の細かなニーズに応じた商品のラインアップを増やしていきたい。また、本来の保険の機能である『保障』を軸にした提案も一層強化していく」としている。

 
[2017-01-11]
 大手生損保、地域連携を強化、政府戦略背景に協定増加

  政府の総合戦略「まち・ひと・しごと創生」(2015〜19年の5カ年)を背景に、大手生損保が地域との連携を強化している。営業職員や代理店は地域に密着した活動を行っており、グループ全体でサービスを提供できるのも大手社の強みだ。特に16年度からは、「それまでの支社ごと取り組みを本社主導に変更」「本社から支社を支援する仕組みを構築」「自治体(都道府県および市町村)や企業・団体などとの包括的連携を拡大」などの動きが目立っている。
 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、人口減少克服・地方創生のためには、三つの基本的視点@「東京一極集中」の是正A若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現B地域の特性に則した地域課題の解決―から取り組むことが重要として具体的な施策を示した。「地方を主体とした枠組みの構築」を目指していることもあり、企業からのアプローチを歓迎する自治体が増えており、民間からの提案を公募する自治体も出てきている。
 保険会社内の組織変更としては、16年4月に、日本生命が法人職域業務部内に重点市場開発担当として専任人材を配し、あいおいニッセイ同和損保は全社的な取り組みとして「地方創生プロジェクト」をスタートさせた。7月に「地方創生室」を設置した東京海上日動は、それまでの取り組みをさらに加速させるとともに具体的な施策も増やす計画だ。
 損保では、BCP、農業支援、海外進出企業支援、経営支援、地域産業活性化のための物産展などを行っており、自治体とのコミュニケーションの中から保険商品の誕生につながる事例(損保ジャパン日本興亜が「予防的避難勧告」の推進をサポートする自治体向け保険を開発し今春の発売を予定するなど)も出てきた。三井住友海上では、自治体のニーズに合わせた多様な協定を結んでおり、経営革新等支援機関の立場を生かした経営支援や、「三井住友海上経営サポートセンター」「インターリスク総研」などグループ力も生かしている。
 生保では、全ての自治体の課題でもあるがん対策や健康増進に関わる連携を中心に、独自性の高い取り組みが見られる。住友生命では15年から、自治体とのがんを含む健康増進への事業連携協定や包括協定を拡大しており、がん検診の受診勧奨、セミナーの開催、啓発冊子の作成などを行っている。日本生命は、健康分野で貢献するとともに産業振興(ビジネスマッチングイベントの開催など)や教育・文化・スポーツ振興、障がい者の社会参加などの幅広い連携を打ち出す。
 明治安田生命では、営業職員が取り組む子どもや高齢者を見守る「地域を見守る社会貢献活動」で140以上の自治体と協定を締結しており、また、全国78支社などでJリーグの全53クラブなどとスポンサー契約を結び、各地職員の参加による試合応援や子どもサッカー教室の開催などで地域の活性化や子どもの健全育成を図る。
 第一生命の包括連携協定を締結している3ナショナルセンター(国立がん研究センター、国立循環器病研究センター、国立長寿医療研究センター)との合同セミナー(全国で開催)も特徴ある取り組みだ。
 各社は「地域を支援することが保険事業にもつながる。WIN―WINの関係を構築したい」としており、さらに地域支援を拡充させていく考えだ。

 
[2017-01-10]
 フィッチが17年保険業界を展望、海外でのM&Aが継続

  フィッチ・レーティングス(フィッチ)は昨年12月に、2017年の保険業界の展望についてリポートを発表した。それによると、日本の大手保険会社による海外事業拡大が続くと同時に、収益性は医療保険分野と自動車保険に支えられて安定的に推移するとの見解を示している。
 フィッチは、多額の日本国債保有による集中リスクと国際的な分散が十分でないことを反映して、日本の保険セクターの格付けアウトルックを「安定的」から「弱含み」に変更した。日本の保険セクターの格付けは、日本の外貨建ておよび円建て長期発行体デフォルト格付け(IDR)に制約されている。
 金利リスクについては、日本の生保の経済価値ベースの資本が、16年1月の日本銀行によるマイナス金利導入の決定とそれに伴うイールドカーブのフラット化によって圧迫されているとみており、こうした状況は17年もおおむね続くと予想する。もっとも、日銀はイールドカーブのスティープ化(急な右上がり)を容認する様子を見せており、長期債の利回りは底を打った模様である。
 外国債券保有については、日本の債券市場の利回りが依然として低いことから、日本の生保は引き続き増加させるとみている。為替リスクをヘッジしている保険会社については、ヘッジコストの上昇も追加的な利差益の創出を困難にしている。保険会社は海外クレジット商品へのエクスポージャーを増加させる可能性が高い。
 フィッチは、生損保各社が、資金調達に有利な足元の低金利環境下で規制資本を強化できるように積極的に劣後債を発行すると考えており、保険セクターは、海外M&Aの機会が生じた際に対応できるようにするためにも、十分かそれ以上の水準の資本を維持する可能性が高いとみている。各社の資本基盤は、内部留保や準備金の蓄積だけでなく、ハイブリッド証券の発行にも支えられている。
 大手生損保による海外事業拡大は、人口の減少と高齢化の進展のために国内市場が飽和状態にあることを踏まえ、今後も続くとみている。大手生損保はすでに米国や英国、オーストラリアで大規模な保険会社の買収に着手している。これらの市場は、買収後、直ちに多額の保険料収入と利益をもたらす他、人口が増加しているため、日本の保険会社に緩やかな成長をもたらすとみている。また、米国での事業拡大の資金を調達するためにも、日本の投資家のみに依拠せず、資金調達源の分散を図ろうとしている生損保もあることから、最近見られる米ドル建てハイブリッド証券の発行は17年も続くと予想している。
 生保の17年の利益は安定的に推移するとみている。大幅な円高が進行しない限り、保有外国債券の拡大により、利差益は維持される可能性が高い。フィッチは、保険各社が緩やかな成長の続く比較的収益性の高い第三分野商品の販売に重点を置いていることから、疾病率・死亡率関連の商品に対する需要は底堅く、今後数年間は第三分野商品の成長傾向が続く可能性が高いとみている。日本の生保は日本の高齢化社会のニーズを満たすために、業界で最も収益性の高い医療・介護保険商品を引き続き拡大している。16年度上期の第三分野の保有契約年換算保険料は前年同期比1.5%増となり、ほとんどの生保で収益性の維持に寄与した。
 損保各社は保険引き受けリスクに応じて保険料を引き上げるかまたは維持しているため、堅調な保険引受利益を維持する可能性が高いとみている。各社の予想によれば、コンバインド・レシオは平均で92%にとどまると見込まれる(15年度は92%)。

 
[2017-01-06]
 地震保険制度が改定、保険料を3段階で引き上げ

  地震保険制度が1月1日に改定された。地震保険の始期日(中途付帯日・自動継続日を含む)が1月1日以降となる契約から、保険料、損害区分、割引確認資料の改定を行っている。今回の改定は、これまでの地震保険制度の課題を考慮し、バランスの取れたものとなった。地震保険制度は数々の地震で被災者の生活再建に役立つとともに、地域の復旧、復興の一端を担い、地震国である日本の安心のよりどころになっている。今後も損保業界は広く消費者にリスクを啓発しながら、地震保険の役割、今回の改定内容などを伝え、普及に尽力することが求められる。
 今回の保険料改定は、損害保険料率算出機構が政府の地震調査研究推進本部が公表した2014年版の「確率論的地震動予測地図」や、料率算出に用いる各種基礎データを基に計算したところ、多くの地域で保険料率の引き上げが必要な状況となったことから実施された。料率の引き上げ幅については、政府の有識者会合からの「契約者の負担感軽減と加入率確保の観点から、数段階に分けて料率引き上げを行うことも考えられる」という提言を受け、3段階に分けて改定する。1段階目に当たる今回の改定では、全国平均で約5.1%の引き上げとなる。2段階目以降の時期は未定。
 損害区分については、政府の有識者会合で、わずかな損害割合の差で保険金に大きな格差が生じ得ることに関して指摘があり、これまでの損害区分(全損・半損・一部損)の半損を2分割し、4区分(全損・大半損・小半損・一部損)に細分化した。細分化によって、@保険金支払割合の格差の縮小A半損の中でもより深刻な被害を受けた契約者に対する補償の充実B実際の損害割合と保険金支払割合の数字が近づくなどの効果が得られる。
 割引確認資料については、対象となる確認資料の範囲が広がり、割引を適用しやすくなった。免震建築物割引・耐震等級割引では、登録住宅性能評価機関によって作成された書類のうち、対象建物が免震建築物割引であること、または対象建物の耐震等級を証明した書類については、その資料の名称によらず確認資料とすることができる。登録住宅性能評価機関により作成される書類と同一の書類を登録住宅性能評価機関以外の者が作成し交付することを認める旨、行政機関により公表されている場合には、その者を含む。  また、耐震等級割引では、登録住宅性能評価機関などの発行書類だけでは耐震等級が一つに特定できないが、登録住宅性能評価機関などへの届出書類で耐震等級を一つに特定できる場合、その耐震等級の割引を適用することができる。建築年割引については、建築年割引が適用されていることが確認できる保険証券などであれば、新築年月の記載がなくても確認資料とすることができる。
 今回の地震保険制度改定に当たっては課題もある。保険料の上昇による加入者の負担感軽減はその一つとして挙げられる。これに対しては、募集人がリスクマネジャーとしての存在意義を高め、家計全体のリスクを見直し、その中に地震リスクを織り込み、個々の契約者の状況に応じて必要な保険を勧めることが重要になる。
 損害区分は、4区分となり、実際の損害程度に応じた、細やかな損害認定ができる状況になるものの、地震保険の査定現場では損害区分が増えることに伴って精度の高い現場調査などが求められるようになる。契約者の納得感を得るために、これまで以上に厳密で説得力のある損害査定のスキルを身に付けることが必要になる。さらに、契約者に地震保険の説明が十分になされていないために契約者が地震保険を理解しておらず、トラブルになるケースもあることから、今回の制度改定を機に契約時に分かりやすい説明を行うことも望まれる。
 日本の地震保険制度は50年の歳月をかけて改善を重ねてきた。東日本大震災で保険業界の評価は大きく高まり、熊本地震でも保険金の早期支払いを実現した。今後も地震保険の必要性を積極的に発信し、普及を図っていくことは業界全体の社会的使命だ。業界全体が連携を強化して地震保険の活用を促すことで安心・安全な社会づくりに貢献しなければならない。

 

 (保険毎日新聞から抜粋)