[2011-11-29]
NKSJリスクマネジメント、企業RMセミナーを開催
NKSJリスクマネジメントは11月2日、東京都中央区の日本興亜損保日本橋ビルで企業リスクマネジメントセミナーを開催した。当日は、「顧客満足と苦情対応のマネジメント実践」をテーマに、柴田CSマネジメント㈱の代表取締役であり、NKSJリスクマネジメントのCS・マネジメントコンサルタントでもある柴田純男氏が「苦情対応におけるコミュニケーション力アップと仕組みの構築」をテーマに基調講演を行ったほか、柴田氏に加えてNKSJリスクマネジメントの山本雅司取締役研究開発部長、森永乳業㈱の小澤和裕お客さまサービス部長、一般社団法人ECネットワークの沢田登志子理事による「お客さまの声に適切に対応するために~現状と課題~」をテーマにしたパネルディスカッションも行われた。
基調講演で柴田氏は、顧客満足とは何かについてや、苦情対応の役割、消費者問題関連規格などについて解説。顧客満足とは、顧客の期待に応えてリピーターを創造していくための具体的施策と競争原理にのっとった事業活動だとし、そのためには顧客の事前期待とのギャップである不満の把握や、顧客離れを防ぐための苦情対応が重要だと強調。第一線の現場で何が起こっているのかを把握して失敗例を共有し、コミュニケーションやマネジメントシステムなどの苦情対応体制整備の必要性を指摘した。「顧客は、思い通りにならず自尊感情が傷つけられたときに怒りを覚える。顧客が傷ついていることを前提に話を進めなければ顧客との気持ちにズレが生じる。まず不快感を与えたことを謝罪して話に耳を傾け、顧客の感情を理解し、徐々に具体的な解決策を提案していくことが重要だ」と述べた。
消費者問題関連規格については、ISO10002:2004(品質マネジメント―顧客満足―組織における苦情対応のための指針)、ISO10001:2007(品質マネジメント―顧客満足―組織のための行動規範に関する指針)、ISO10003:2007(品質マネジメント―顧客満足―組織外部の紛争解決に関する指針)について説明し、顧客満足の向上につながる苦情対応体制を構築するには、これらの規格が参考になるとした。
パネルディスカッションでは、小澤氏が同社の顧客満足のための基本方針、行動指針などを説明。365日電話で苦情対応を行っていることや、苦情受付件数が2年連続で減少していること、顧客の声を全社に反映して活用するためにデイリーレポートとして社長に報告していること、週報や月次報告などで社内向けに情報発信を行っていること、社内研修で顧客満足に対する意識向上に取り組んでいることについて発表した。また、同社の顧客対応システム「ハートライン」を紹介し、対応事例やマニュアルを共有できるほか、対応報告書などの情報伝達に活用している状況を説明した。
沢田氏は、ECネットワークの概要や活動内容のほか、インターネットショッピングでのトラブル事例を紹介。それらの顧客の特徴として、理路整然としたメールを送信して早期対応を望むことや、個人情報に敏感なことなどを挙げた。また、インターネットでは一方的な商品の返品や受け取り拒否など相手への不信感が増幅されやすいことや、海外の商習慣との違いがあることなどを指摘し、「言葉の強さに惑わされず顧客の要求を正確にくみ取り、社内方針に照らして顧客サービスとして譲れる点があるのかなどを判断すること、商品説明やスタッフ教育など再発防止策を見直すことが重要。顧客に納得してもらえない場合は第三者機関の活用も検討すべきだ」と強調した。
そのほか、パネルディスカッションではさまざまな苦情対応の問題について討論した。 |
[2011-11-29]
新生命保険料控除制度、来年1月1日以降の契約から適用
契約者が払い込んだ生命保険料に応じて、一定額がその年の所得から差し引かれる「生命保険料控除」の制度が改正され、来年1月1日以降の契約から適用される。従来の制度(旧制度)はそのままに、新たに契約する生命保険が新制度の対象になる。生損保協会がホームページ(HP)で案内を開始しているほか、生保各社などではHPでの案内に加え、年に一度契約者向けに発行する「契約内容のお知らせ」での案内も開始している。
今回の改正のポイントの一つは、「介護医療保険料控除」の新設。従来の「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」に加えて、主に介護や医療の保障に係る保険料について適用される(所得控除限度額は所得税4万円、住民税2万8000円)。
また、「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」の所得控除限度額が変更され、それぞれの所得控除限度額が所得税4万円、住民税2万8000円になる。
さらに、制度全体の所得控除限度額も変更され、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」を合わせた全体の所得控除限度額が、所得税の場合、12万円に拡充される(住民税は従来どおり7万円)。
保険料控除は、主契約と特約の保険料について、それぞれの保障内容により、「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」が適用され、また、身体の傷害のみに起因して保険金が支払われる保障に係る保険料は、生命保険料控除の対象外となる(例えば、傷害特約・災害死亡割増特約などは対象外)。
損保会社の場合は、現在、地震保険料控除とは別に、一部の保険契約(第三分野の保険契約=医療保険、介護保険、所得補償保険など)については生命保険料控除が適用されている。損保会社の取扱商品は、旧制度では「一般生命保険料控除」に該当しているが、新制度では「介護医療保険料控除」に該当することになる。
制度が複雑になることから、今後、契約者にとっては自身の契約がどの制度に該当するのか判断が難しいケースが数多く出てくると見込まれる。例えば、新制度適用対象は、契約日が2012年1月1日以後の契約だが、契約日が2011年12月31日以前の契約でも2012年1月1日以後に更新・特約中途付加などの異動により契約内容が変更された契約も新制度の対象となる。旧制度適用対象契約(以下、旧契約)と新制度適用対象契約(以下、新契約)の両方を契約している場合は、一般生命保険料控除と個人年金保険料控除については、控除ごとに「旧契約のみで申告」「新契約のみで申告」「旧契約と新契約の両方で申告」のいずれかを選ぶことができる。
これらの点を考慮して、例えば、生保協会ではHPに「適用される制度の具体例」のページを掲載し、考えられる複数のケースを図で示して解説している。
実際に契約者が申告する時期は来年末以降になるため、来年の保険料控除証明書送付時期に、保険会社からの契約者に対する案内や注意喚起が活発化する見通しだ。 |
[2011-11-29]
三井住友海上、アジア新興国進出塾セミナー開催
三井住友海上経営サポートセンターは11月15日、東京都中央区の同社新川ビルで「アジア新興国進出塾セミナー」を開催した。今回は「ASEAN進出の法的留意点」をテーマに、第1部でシンガポールのラジャ・タン法律事務所の栗田哲郎弁護士が中小企業の海外進出時の注意点、各国の進出形態(会社法制)、雇用形態(労働法制)、紛争が発生した場合の対処方法などについて解説。第2部では三井住友海上国際業務部の杉本幸平課長が同社のASEAN展開について説明した。当日は、卸売業や物流、商社、製造業などから多数の関係者が出席した。
栗田氏はまず、ASEAN進出に関する基本情報として、輸出開始企業と輸出非開始企業の国内従業員数、海外への直接投資開始企業と直接投資非開始企業の国内従業員数を比較し、「いずれも海外とつながりのある企業の方が国内従業員が増えており、産業空洞化に直結していない」と述べた。また、国際化した企業が受けた恩恵として、売り上げの増加や、新市場・顧客の開拓などを挙げた上で、「日本は依然として経済大国であることに変わりないが、成長のためには新興国の攻略が重要だ」と強調。アジアでは経済成長によって消費をけん引するミドルクラス(中間層)が急速に増加していることに加え、富裕者層も拡大していることから、「中間層と富裕者層をターゲットにする企業が伸びていく」との考えを示した。
続いて、インドネシア、インド、シンガポール、タイ、ベトナム、マレーシアの基本法制や外資規制について説明した後、進出ストラクチャーに関して、単独での進出、ジョイントベンチャーの設立、既存企業の買収のそれぞれのメリットとデメリットを解説。ジョイントベンチャー契約作成時には「出資割合や株主総会・取締役会などの会社運営方法、撤退する場合の取り決めなどに注意を要する」と指摘した。
会社法制については、各国の最低資本金、最低株主数、最低取締役数などに触れ、取締役が現地に居住しなければならないかどうかを確認する必要があるとした。
さらに、労働者の雇用や税制、知的財産制度、紛争解決方法、撤退方法について解説。税制では、各国の法定法人税率を比較してシンガポールの税率が進出企業にとって有利なことから、これを活用してシンガポールを通したスキームを考案している企業が多いと説明した。紛争解決方法に関しては、「シンガポールとマレーシア以外の国で裁判をする場合はリスクがあるため、シンガポールなど第三国で仲裁する条項を契約書に盛り込んでおく必要がある」と述べ、注意を促した。
第2部では、杉本氏が三井住友海上のASEAN展開について説明。日本企業のアジアへの進出状況や同社の海外ネットワークなどを紹介した上で、「当社はお客さまのニーズに対応するため、積極的な事業展開を続けており、特に査定網を強みとしている。保険は事故が発生したときにお客さまの力になることが最も重要。事故があった時こそ全力でお客さまをサポートする」と強調した。 |
[2011-11-29]
三井住友海上・インターリスク総研、実践ERMセミナー開催
三井住友海上とインターリスク総研は、12月16日午後2時半から、東京・神田駿河台のインターリスク総研本社(御茶ノ水NKビル)6階会議室で、オープンセミナー「実践ERM 事例に基づくリスク管理の最新事情~東日本大震災を踏まえたリスクマネジメントの課題と対応策~」を開催する。
3月11日の東日本大震災の発生から半年以上が経過した。今回の震災により、わが国経済は甚大なダメージを受けたものの、各社が驚異的なスピードでサプライチェーンを復活させるなど、徐々に復旧を果たしつつある。一方で今回の震災は、わが国企業におけるリスクマネジメントの取り組みの在り方に、さまざまな観点から課題を突きつけたともいえる。
今回のセミナーでは、東日本大震災の教訓を踏まえつつ、リスクマネジメントの取り組みにおける今後の課題を取り上げ、取るべき対応策について提言する。
また当日は、TOTO㈱のリスクマネジメント推進責任者が、実際の取り組み状況や今後の課題などについて解説する。
参加費無料(会場の都合上、参加は原則1社につき2人まで)。定員70人(先着順で定員に達し次第、受け付けを締め切る)。問い合わせは、インターリスク総研コンサルティング第一部ERMグループ(電話03・5296・8914、ファクス03・5296・8941)まで。 |
[2011-11-28]
全国信用組合中央協会、保険窓販、上半期実績まとまる
全国信用組合中央協会(全信中協)の保険窓販の上半期実績が判明した。成立件数は2万9690件(前年同期比113%)、実績保険料は107億6594万9000円(同180%)、手数料概算は3億2848万円(同119%)。商品別では、太陽生命の「しんくみMy年金BEST」が3113件(同193%)と好調で、通販商品の「そんぽ24自動車保険」も418件(同137%)と伸展している(実績保険料では、月払い・半年払いなどの平準払いは年払いに換算)。
全信中協の会員組合は158あり、そのうち保険の統一商品・推奨商品(注1)を採用しているのは87組合。最も多く採用されている商品は火災保険で、65組合が採用。採用組合が目立って増えている商品は太陽生命の「しんくみMy年金BEST」で、昨年同期の21組合から32組合になっている。
同協会では、毎年春に窓販関連の研修を実施し、各信組や販売担当者のコンプライアンス意識などを高めている。また、昨年12月に初めて開催した「保険窓販業務推進会議」は、今年12月に2回目を実施する。今年は、昨年の東京に加え大阪でも開催する予定で、2カ所で50組合程度の参加を見込んでいる。
保険業務部の増田部長は「キャンペーン期間に保険販売が伸展する組合が多いが、融資や預金などの通常の活動の中で保険販売に取り組むことが効率的だ。2回目の保険窓販業務推進会議では、そうした取り組みに成功している信組の事例発表や、複数の保険会社から保険販売のポイントも説明してもらう。住宅ローン申し込みに伴う保険の見直し提案などの成功事例の紹介なども予定している」と話す。
来年4月の融資先募集規制の一部緩和により、一時払い終身や一時払い養老、積立傷害、積立火災などが規制対象から除外され、また、住宅ローン申し込み者への保険提案を早めに行うことが可能になる。信組では、協同組織金融機関特例(注2)および地域金融機関特例(注3)による保険販売を行っているが、4月の変更に合わせて新たな帳票類の準備にも取り掛かっている。
増田部長は「今後、窓販ニュースのような形の情報発信を行い、保険を取り扱う信組の拡大を図る。また、一時払い終身や一時払い養老などの新商品追加も検討している」という。
(注1)統一商品とは、全信中協が保険料集金者となって推奨している商品。推奨商品は、全信中協が保険料の収納を行わずに推奨している商品。現在の統一商品は、火災保険、債務返済支援保険、傷害保険の3商品。推奨商品は、年金(太陽生命、三井住友海上あいおい生命)、こども保険(太陽生命)、自動車保険(そんぽ24)、医療(アクサ生命)、限定医療保険(アクサ生命)、介護保険(太陽生命、あいおいニッセイ同和損保)の8商品。統一・推奨商品以外の保険商品を独自に取り扱っている信用組合もある。
(注2)信用組合や信用金庫などは自組合(金庫)の組合員(会員)を募集制限先から外すことができる。
(注3)地域金融機関特例を選択している金融機関は、同金融機関の事業性資金の融資先(従業員数21人以上)に勤務する役員・従業員に対して、保険契約者1人当たり通算で「死亡保険金等1000万円」「疾病診断または要介護診断給付一時金100万円(1回)」「疾病入院給付金5000円(1日)」「特定の疾病に係る入院給付金1万円(1日)」「疾病手術給付金20万円(1回)」「特定の疾病に係る手術給付金40万円(1回)」「疾病診断または要介護給付年金5万円(1カ月)」を限度とした保険募集が可能となる。 |
[2011-11-24]
日本保険学会、2011年度大会を開催
日本保険学会は10月22日と23日の両日、神戸学院大学ポートアイランドキャンパス(兵庫県神戸市)で「2011年度大会」を開催した。200人以上が出席した大会では、韓国保険学会のチャン・ドンハン副会長(Dr.Dong HanChangコング大学教授)が韓国の保険業界の現状と展望について招待報告を行ったほか、神戸大学の水島一也名誉教授が「わたしの保険研究を振り返って」と題して特別講演した。また、1日目は保険会社の海外進出、2日目は保険業界へのERMの導入についてパネルディスカッションをしたほか、会員による研究報告も行われた。
「韓国の保険産業の現状および将来展望」と題して講演したチャン副会長は、収入保険料の世界ランキングや国内の各種統計を用いて韓国保険市場の動向を説明。
1970年代から80年代にかけて2けた成長を記録した業界の今後について「昨今の金融危機の影響などで、今後は5%未満の成長に留まることが予想される」との見解を示した。
また、韓国でも生損保各社がグローバル展開を目指した戦略を進めていることや、保険流通の多様化が進んでいることなども列挙。「ダイレクト販売やバンカシュアランスの市場占有率が上昇していく一方、従来型のチャネルは減少傾向にある」と指摘した。加えて、韓国でも日本同様に高齢化社会となってきていることに伴い、今後、年金や介護分野での保険の開発が進んでくるとの考えを示した。
水島名誉教授は、保険研究を始めたきっかけから、近代のいかなる時代でもリスクへの対処は避けて通れない問題との観点で取り組んだ「近代保険の生成」をはじめ、「産業組織論」「相互会社論」「保険文化論」など、これまで取り組んできた研究テーマについて自身の考えを踏まえながら説明。「これまでの研究生活は、研究仲間や門下生など多くの人たちに恵まれ、感謝している」と述べ、研究成果が今後の学会発展に役立つよう期待を表明した。
1日目のパネルディスカッションでは「グローバリゼーションと保険会社の海外進出」をテーマに、野村秀明氏(三井住友海上)、谷口哲也氏(第一生命)、沙銀華氏(東京海上日動〈中国〉有限公司)が自社の取り組みを紹介。その後、司会の久保英也氏(滋賀大学)からの問題提起を基に、今後の海外進出の在り方について討論した。
2日目のパネルディスカッションでは「保険事業とERM」をテーマに、大城裕二氏(岡山商科大学)、杉野文俊氏(専修大学)、長谷川俊明氏(長谷川俊明法律事務所)、植村信保氏(金融庁監督局)が保険業界とERMとのかかわりについて講演。その後、羽原敬二氏(関西大学)の司会で、保険業界でのERMの必要性や可能性について討論した。
今回、大会委員長を務めた赤堀勝彦氏(神戸学院大学)は「多くの方に参加いただき感謝している。ゼミ生など多くの学生やスタッフの協力で、大会を無事終わらせることができた」とコメント。また、江澤雅彦理事長も「出席者全員、熱心に聴講していた。実務者からの発表も多く、研究者・実務者ともに良い知見が得られたのではないか」と話した。
来年度は10月20・21日に日本大学商学部(東京都世田谷区)で開催の予定。
【今大会での研究報告一覧】
▽「中国保険業におけるWTO加盟の影響と課題」塔林図雅氏(慶應義塾大学大学院)
▽「海上保険におけるpiracyの解釈について」平澤敦氏(中央大学)
▽「PTA安全補償制度運営上の諸問題―アンケート結果に対する一考察―」早川淑人氏(札幌学院大学)
▽「損害保険会社のCSR」鴻上喜芳氏(大分大学)
▽「保険会計と保険負債」上野雄史氏(静岡県立大学)
▽「退職給付における制度選択―リスクシフト仮説の検証―」柳瀬典由氏(東京経済大学)
▽「非対面型販売における保険募集の課題」鎌田浩氏氏(au損保)
▽「損保ADRの現状と課題」竹井直樹氏(損保協会)
▽「生命保険金請求権の質権設定について」深澤泰弘氏(岩手大学) |
[2011-11-22]
三井住友海上、「タイ最新物流セミナー」開催
三井住友海上は10月28日、東京都千代田区の損保会館で「タイ最新物流セミナー」を開催した。ASEANのほぼ中央に位置し、市場規模やコスト競争力、近隣諸国へのアクセスのよさなどから注目を集めるタイの物流事情について、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会・JILS総合研究所所長の吉本隆一氏と三井住友海上海損部海外企画チームの児玉肇氏が最新の洪水に関する情報も併せて、解説した。
「タイの貿易環境と日系企業の動向」と題して講演した吉本氏は、はじめにタイの貿易概況について解説。2000年代以降は輸出入が順調な増加傾向にあるとし、経済的な成長も期待できると強調。日本企業の進出については、プラザ合意以降の円高による海外投資ブームを機に増加を続け、今年4月1日現在で1327社が進出していること、タイでは現在、日本や欧米などの成熟市場への展開や、新興国などの中間層人口の拡大により、消費需要が増加していることから、市場が多極化していることなどを説明した。また、物流の観点から見ると、中国・インドシナ半島ではクロスボーダーの道路網整備が行われており、中国とタイの連携による鉄道網の整備も進められていることから、交通の発達は著しいものの、輸送時のボトルネックが課題となっていると指摘。特に距離の短いASEAN域内輸送では、通関と荷役に費用と時間が大きく割かれ、その解決策として越境交通協定の批准が急がれているとし、「ロジスティクスの世界市場は、生産工程の国際化と中間財輸出入の拡大に伴って急成長しており、日本の物流事業者も積極的に国際展開していくことが求められている」と締めくくった。
続いて講演した児玉氏は、洪水の被害状況について、10月中旬にタイの主な工業地帯を上空から撮影した映像を用いて解説した。併せて、自動車メーカーや電機メーカーを主とする日系企業への影響についても触れ、各社共部品の供給遅れや治水対策のために稼働を休止している状況などを説明した。
次に、南東部の物流拠点の様子や同氏が9月初旬に調査を実施したタイ南東部の物流拠点での物流環境や中国雲南省からラオス経由でタイに至る「南北経済回廊」の現状について報告。主要な港湾として東部沿岸地区に開発されたレムチャバン港を例にタイの港湾事情を解説したほか、タイの主な工業団地の規模や機能を説明した。また、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、中国(雲南省・広西チワン族自治区)の6カ国がアジア開発銀行などの支援を受けて進めている「大メコン圏経済協力プログラム」の主力政策である「南北経済回廊」の概要について、現地調査の様子と共に解説した。
最後に、タイにおける典型的な貨物損害とその対策について、①水濡れリスク②破損リスク③盗難リスクに分けて分析。タイは年間を通じて降雨量が多く、多湿な気候であることから、金属部品などが陸上輸送中にさびてしまうケースもあるとし、「6月から10月の雨季にはとくに厳重な防水対策が求められる。また、盗難リスクについては、倉庫や工場内で従業員やトラックドライバーが通牒して少しずつ窃取する手口の盗難が頻繁に起きていることから、会社として犯罪を許さない姿勢を強く示す必要がある」と強調した。 |
[2011-11-21]
太陽生命、みずほ銀行と新生銀行で無配当個人年金販売
T&D保険グループの太陽生命は、11月1日から、㈱みずほ銀行と㈱新生銀行で無配当個人年金保険(001)の販売を開始した。これにより、同社ではより多くの顧客に高品質の商品・サービスを提供していくとしている。販売名称は、みずほ銀行が「おひさま日和」、新生銀行が「実りの時間」となる。
同商品は、契約日に年金原資、基本年金額が確定する円建ての定額年金で、将来必要な資金を安全かつ計画的に準備したいという顧客ニーズに応える一時払いの個人年金。
主な特徴は次のとおり。
▽年金原資、基本年金額、死亡給付金額と解約払戻金額(注1)が契約日に確定するので、計画的な資産形成に適している。
▽受け取り方法は年金受け取りまたは一括受け取りから選択できる。
▽年金受取期間が、5年または10年の確定年金から選択できる。
▽年金支払開始日に、年金にかえて一括で受け取ることもできる(注2)。
▽被保険者が死亡した場合、死亡給付金が支払われる。
▽年金支払開始日前に被保険者が死亡した場合、死亡給付金を支払う(なお、死亡給付金額は一時払保険料を下回ることはない)。
▽年金支払開始日以後に被保険者が死亡した場合、残期間分の年金を継続して毎年、法定相続人に支払う。
(注1)契約後短期間で解約すると、解約払戻金額は一時払保険料を下回ることがある。
(注2)年金にかえて、一括で受け取った場合は、その時点で契約は消滅する。 |
[2011-11-18]
ネクスティア生命、無料のウェブ大学を開校
インターネット販売専門のネクスティア生命はこのほど、世界最大級のソーシャルネットワークサービス(SNS)であるフェイスブックで、お金のことを基礎から学べるウェブ大学「ハピスマ大学」(http://www.facebook.com/happyandsmile.university)を開校した。日本人のマネーリテラシー向上を目指し、マネーのことを基礎から学べることが目的。同社では、「楽しく学んで“ハッピー”で“スマイル”があふれる人生へのお手伝いをしたいと考えている」としている。
同大学では、①基礎を知る②把握する③使う④貯める⑤殖やす―の五つのステップでマネーの知識を学べる。講師には貯蓄や住宅ローン、投資、保険などさまざまな分野のマネーの専門家を招き、フェイスブック上で情報提供を行うほか、セミナー・イベントなども実施する予定。ファーストステップ「基礎を知る」では、家計再生コンサルタントの横山光昭氏が講師を務め、マネーの知識を身に付ける前に必要な基礎の部分を解説した。受講料は無料。
また、同社は、フェイスブックに公式ページも開設し、同社の最新情報や保険に関する情報などを配信している。 |
[2011-11-18]
損保ジャパン、中小企業向け新商品・サービスを相次ぎ投入
損保ジャパンは、中小企業を対象とした新商品や既存商品のグレードアップを矢継ぎ早に提供している。9月に、大地震発生時に震度に応じて速やかに保険金を支払う「BCP地震補償保険」を発売したのに続き、10月にはアジア向けの輸出企業に特化した「海外PL保険(アジア限定プラン)」の販売を開始。また、リコール保険の「日用品リコール・プラス」や「新フードリコール・プラス」を改定した。中堅・中小企業の多様化するニーズに対応し、事業継続計画(BCP)や海外進出支援を軸にした商品ラインアップや補償内容を拡充している。
企業向け「BCP地震補償保険(特定地震利益保険)」は、大地震の発生によって契約者が指定した震度計が震度6強以上を記録し、所有財物の損壊やサプライチェーンの遮断が生じた際、収益減少や通常要する費用を超えた営業継続費用に対して保険金を支払う。損害を証明する資料が提出される前でも、保険金請求書類の提出後30日以内に仮払いして当座の運転資金をカバーする。
「海外PL保険(アジア限定プラン)」は、中小規模の輸出事業者を対象に、アジア地域への輸出に特化した製造物賠償責任保険。てん補限度額は身体・財物共通で5000万円で、対象製品の輸出高ごとに保険料を決めるパターン販売のため、引き受け審査も早く、スピーディーな提案ができる。
昨年8月に販売を開始した生産物回収費用保険(リコール保険)の日用品リコール・プラスは、市場に出回った欠陥製品の回収費用のほか、逸失利益やコンサルティング費用、在庫品廃棄費用をカバーするなど通常のリコール保険に比べて補償範囲が幅広く、顧客の関心が高い。保険料水準についての要望に応える形で、10月からリスク区分に応じて30~70%保険料を引き下げた。
また、食品を対象にしたフードリコール・プラスについても、食品リコール事故が発生した際に、NKSJリスクマネジメント社との連携でコールセンター機能支援、緊急時広報支援、物流機能(回収)支援などを提供する「緊急時サポート総合サービス」を付帯。このほか、個人情報取扱事業者保険、パッケージ商品「商賠繁盛」などの商品でも10月1日以降始期契約から補償範囲を拡大した。
中堅・中小企業マーケット向け商品・サービスの一連の強化について、同社では「中堅・中小企業のお客さまの多様化するニーズに対応した補償内容や付帯サービスを提供するため、今回、商品改定や新サービスを実施した。今後も、お客さまの期待にいち早く応えられるよう高品質の商品・サービスの開発に取り組んでいきたい」として、今後の市場開拓に意欲を示している。 |
[2011-11-15]
AIU、セールスプロモーションセミナー開催
AIUは10月17日、「セールスプロモーションセミナー~高まるアジアPLリスクと保険対応~」を開催した。同社が10月1日から事業総合賠償責任保険(STARs)のアジア向け生産物担保特約を発売したことを踏まえて開催したもので、会場には100を超える代理店が集まり、関心の高さがうかがえた。
セミナーの第1部では、弁護士の仲澤一彰氏が「アジアにおける製造物責任について―特に中国について―」と題して講演。はじめにアジア各国の製造物責任法について解説した。韓国では、2002年から日本を参考に製造物責任法を施行しており、免責特約の排除を明記していることや、タイや台湾の特徴のほか、中国の製造物責任に関する法律について重点的に説明した。
中国には製造物責任にかかわる法律として、①製品品質法②民法通則第122条③消費者権益保護法第18条、第40条、第42条、第44条④権利侵害責任法―の4種類がある。この中で、製品品質法は日本の製造物責任法より早い1993年に施行されていることから、仲澤氏は「中国が早い段階から製造物に対する責任を規定する法律の必要性を感じていたことが分かる」と指摘。また、無過失責任と立証責任に関して、中国において日本企業が被告とされた裁判例を紹介し、製品の製造者や販売者も賠償責任を負う可能性があることを示唆。中国に直接輸出していない場合や、製品の一部だけに使用される部品のメーカーであっても被告となるケースがあることを強調した。
第2部では、AIU保険コマーシャルライン・マーケティング部の徳原景造AVP部長がSTARsアジア向け生産物担保特約の市場について説明した。現在、日本の国別輸出額上位6カ国のうち、5カ国をアジアが占めており、アジア向けの輸出は年々増加している。特に中小企業のアジアへの輸出割合は大企業に比べて20%以上と高く、間接輸出も多い。
一方、アジアから日本に来る観光客も増加しており、日本で購入した土産物からクレームに発展することも考えられる。アジア諸国のPL関連法が整備され、目覚ましい経済成長を遂げる中国をはじめ、権利者意識の向上とともにクレーム件数も増加している。中小企業もいつアジア地域のPLクレームに巻き込まれても心配ないように、早急に備えるべきだという。また、徳原氏は「お客さまに、アジア諸国におけるPLリスクをご理解いただくよう、伝えていきたい」と語った。
【特約概要】
▽対象企業:左記アジア地域への輸出売上高が10億円以下の製造・販売業者
※アジア地域:インド、インドネシア、カンボジア、シンガポール、スリランカ、タイ、大韓民国、中華人民共和国(香港、マカオを含む)、台湾、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、東ティモール、ブータン、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、モルディブ、モンゴル、ラオス |
[2011-11-14]
クレディ・アグリコル生命、二行で「達成感FX」(積立期間2年プラン)販売
クレディ・アグリコル生命は、11月1日から、㈱りそな銀行(岩田直樹代表取締役社長)と㈱近畿大阪銀行(池田博之代表取締役社長)における個人年金保険「達成感FX」〈解約払戻金市場金利連動型個人年金保険(通貨指定型)〉の販売範囲を拡大し、新たに積立期間2年プランの販売を開始した。
「達成感FX」は、“安定して着実に資産形成したい”という顧客の声に応えて2010年9月に同社が開発した外国通貨建ての定額個人年金保険で、円貨に比べて比較的好金利である外国通貨建ての商品とすることで顧客ニーズに合った商品性を実現した。りそな銀行・近畿大阪銀行ではこれまで積立期間10年のプランのみを取り扱っていたが、今回新たに積立期間2年プランの取り扱いを開始したもの。
同社では、今後も提携金融機関との連携を密にし、多様化する顧客ニーズに応える質の高いサービスの提供を目指していくとしている。 |
[2011-11-14]
第一フロンティア生命、野村證券で投資型年金販売
第一フロンティア生命は、11月1日から野村證券㈱(渡部賢一CEO兼執行役社長)で、「世界の先進通貨とエマージング通貨に投資する楽しみ」と「ステップアップ機能のある安心」がついた年金原資運用実績連動保証型変額個人年金保険(11)「第一フロンティア投資型年金(ステップアップ機能付・5年80%保証)」の販売を開始した。
同商品の特別勘定は、先進10通貨とエマージング通貨への投資を中心に、市場環境の変化が大きい局面では先進4カ国の国債先物への投資割合を高めることで資産の下落リスクを軽減するなど、多様な投資手段で長期的な資産の成長を目指す。
同商品のステップアップ機能は、運用期間満了時の年金原資額が、運用実績に応じて一時払い保険料相当額の110%から5%ごとにステップアップし、一度上がったら下がらない。ステップアップの判定は毎日行い、上限はない。さらに、一度もステップアップしなくても、運用期間満了時の年金原資額は一時払い保険料相当額の80%が最低保証される。運用期間中の万一の際の死亡給付金額については、一時払い保険料相当額の100%が最低保証される。
また、顧客の契約初期費用の負担がないので、一時払い保険料の全額を特別勘定で運用できる。
同社では、第一生命グループの総合力を最大限に生かし、顧客ニーズに対応した商品・サービスをタイムリーに提供していくとしている。 |
[2011-11-11]
損保協会中国支部、保険金不正請求問題「当たり屋」対策急ぐ
自動車事故を装って保険金を詐取する不正請求事案が後を絶たない。中国支部(斉藤健一郎事務局長)では、保険会社間の情報交換制度を通じて、不正・不当請求に対する照会案件が増加する傾向にあることから、こうした不正行為への警戒を強めている。
自ら自動車事故を装って保険金を詐取する「当たり屋」の手口は、年々、巧妙かつ組織的になりつつある。個人が車のドアやミラーに故意に接触する事案から、最近では、接触すらしていないのにけがをしたと不正請求に及ぶ事案もある。また、子どもや親戚、知人などを巻き込むケースもあり、数十人が事件に関与するケースも報告されている。こうした組織的なケースの場合、関与者が多く、確たる証拠がつかみにくいため、不正請求の立証が極めて難しい。
2006年に山口県で発生したひき逃げ死亡事故では、死亡保険金9000万円をめぐり裁判で争われたが、事故状況や保険金取得歴、動機の存在などから、裁判では死亡した被保険者が事故に関与していたとして保険事故に該当しないと結論付けている。こうした事案はまれなケースだが、経済的な困窮や健康上の理由などから不正請求に走るケースは後を絶たず、業界としても対策を講じることが求められている。
当たり屋など保険金の不正請求問題に詳しい鳴門大二弁護士は、その対策として、損害調査を担当するキーマンの直感がまず大事だとし、物損の度合いや走行速度、時間帯の不整合など客観的状況と整合性について問題意識を持つことが重要であるが、現状はその意識が希薄であると指摘する。さらに、キーマンには経験と工学的・医学的知識が不可欠で、早期対応に加え、証拠の収集や記録保存など意識的に対処することを勧める。
常習者や詐欺グループが関与する事故では、業界間での情報の共有や、過去の事故歴・保険金請求歴について地元弁護士などへの問い合わせのほか、警察との連携も重要な要素だという。
10月4日には、保険金詐欺、いわゆる「当たり屋」対策の一環として、損保各社の損害調査担当者を対象とした犯罪防止セミナーも開催している。
保険金の不正請求は保険制度の根幹を揺るがすものだけに、業界を挙げての根絶が求められる。損保業界に課せられた歴史的な課題といえる。 |
[2011-11-11]
全国保険医団体連合会、“認可特定保険業者”に向けて準備
「共済の今日と未来を考える懇話会」(懇話会)の構成団体の一つである全国保険医団体連合会(東京都渋谷区、住江憲勇会長)は、今年5月の改正保険業法の施行に伴い、認可特定保険業者を目指すことを決めた。現在は、予備審査に向けた準備を進めており、予備審査終了後に大会を開き、要件となる法人格取得に向けた方向性を確認する方針だ。
同連合会が、これまで約40年間提供してきた制度は、医師が傷病により休業を余儀なくされた場合、“自分の医院の診療に空白ができないよう、代診医を立てて地域医療が継続できるようにする”“従業員の給料を保証する”といった財政を支援する内容。2005年当時の共済制度加入者の数は約5万人だったが、改正保険業法により新規引き受けを停止していたことから、現在の加入者は4万2000人となっている。
同連合会では「地域医療の継続に寄与し、日本政府の厚労行政に大きく貢献してきたと自負している。05年の業法改正前までは、自主共済として最大限の加入者還元と制度改善に取り組んでいた。自主共済として提供してきた事業を継続するため認可特定保険業者を目指すこととした。制度継続のために迅速に取り組みたい」としている。
保険医は、健康保険加入者の診療を行う医師または歯科医師。同連合会は、「保険医の経営、生活ならびに権利を守り、国民医療の向上、医療保障の充実、国民の健康をはかること」を目的として1969年に結成され、現在は、47都道府県51保険医協会・保険医会が加盟している。保険医協会・保険医会は、保険医の要求に基づいて事業や活動を行う任意加入の自主的団体で、医師・歯科医師と患者・国民が共に喜べる医療を目指して、多くの患者団体や諸団体と共に活動している。会員数は、医科6万5016人、歯科3万8586人の計10万3602人(2011年2月1日現在)。
医師でもある住江会長は「これまでの40年間は10年ごとに財政検証もして何の瑕疵(かし)もなく事業を行ってきた。当局にも自主共済の成り立ちへの理解と特段配慮を望みたい。法律に基づき、コンプライアンスやガバナンスにも十分対応し、計理人による準備も進め、なるべく早く事業を再開したい。新法人では、従来の契約も包括移転できるため既加入者の保障を継続できる」と語る。
懇話会では共通の方向性を持って情報交換や課題研究を続けていく予定で、同連合会としても、内外の動き(特にTPPの問題など)を注視しながら取り組んでいく方針だ。 |
[2011-11-11]
第一生命、総合福祉団体定期新特約発売
第一生命は、企業・団体の多様なニーズに応えるため、株式会社化記念商品として、来年4月1日から、同社有配当の総合福祉団体定期保険よりも低廉な保険料で契約できる総合福祉団体定期保険無配当扱特約を発売する。
同社では、企業・団体の死亡退職金・弔慰金規程などの財源を確保する目的で、法人向け保険として総合福祉団体定期保険を販売している。同商品は、毎年団体ごとに収支計算を行い剰余金が生じた場合に、引受保険会社の前年度の決算実績と団体の加入状況などの一定の基準に基づいて計算した配当金を支払う仕組みとなっている。同商品に今回発売する特約を付加することで、配当方式が無配当となり、特約を付加する前の有配当の商品と比較して低廉な保険料になるとともに、配当金がないため、企業・団体における配当金受け入れ事務が発生しない。
昨今、企業を取り巻く環境変化は激しさを増し、福利厚生制度への考え方が多様化する中、企業にとっては限られた福利厚生費の中で、いかに効果的・効率的な福利厚生制度を運営するかが重要になっている。同社では、企業が抱える多様なニーズに応え、より充実した福利厚生制度を運営してもらう観点から新特約を発売することにしたもの。今後も企業・団体のニーズに応えるため、新商品の開発とサービス向上に向け取り組んでいく方針だ。 |
[2011-11-10]
トラスト&グロース、保険代理店との提携強化を加速
(株)トラスト&グロース(東京都中央区、武田浩和代表取締役社長)は、今秋から保険代理店との提携ネットワークを構築して、売掛債権保証サービスの販売を推進する。国内外で高まる与信管理ニーズを背景に、同社は8月、大手日系損保と保険契約を結ぶことで、従来の売掛債権保証事業の引き受け規模の大幅な拡大を実現。利用を急速に増加させている。中小法人をマーケットとする保険代理店や信用金庫などの金融機関を介して、取り扱いやすく柔軟性の高いサービスとして取引信用保険ではカバーできない不足枠や低評点の取引先などの売掛債権を保証する。
トラスト&グロースがこのほど開発した売掛保証サービスは、任意の取引先3社から保証できるシンプルな仕組み。同社が培ってきた中小企業の審査経験を基にしたデータベースを活用することで、企業調査会社の評点が低い取引先でも設定でき、取引信用保険の基準では引受対象外と判断される取引先や、情報のない企業もしくは新設企業に対しても保証を提供する。取引開始後の債権に関しても保証設定できる点も特徴だ。
保証料は、保証額に応じた定額制プランとなっており、保証先3社の保証枠が合計300万円の場合、月の保証料は2万9800円、同600万円の場合は4万9800円となる。保証期間は6カ月または12カ月で、最短で6カ月ごとに保証先の変更が可能。今後も保証額を増やした新プランなどを開発していく予定とのこと。
武田社長は「当社の売掛保証サービスを利用してきた顧客企業の70%以上は、取引信用保険やファクタリングなどを併用している。他社の審査を通らずに保証枠が取れない取引先や、保証枠が不足している取引先に対する保証として提案することができる。取引信用保険との補完関係が高いと考えている」と言う。
評点の低い取引先への保証が可能となるほか、導入しやすい月額保証料払いとなるため、保険代理店の新規開拓ツールとしても期待できる。
同社は、顧客企業からの保証枠拡大の要請を受け、8月に大手日系損害保険会社と保険契約を結び、同社保証先の売掛債権に代金回収の不能が発生した場合の損害の一部を担保するスキームを構築した。大手損保にリスクの一部を分散することで、引受保証金額が従来の2~3倍となった。
今秋からは全国展開を視野にパートナーの開拓に注力する。同社では「法人開拓を主業とする生損保代理店のネットワーク化による代理店網を構築して、取引信用保険との共存を図りながら、生損保代理店の活性化に寄与したい。併せて企業とのつながりの強い地方銀行・信用金庫などにも、融資先を連鎖倒産リスクから守るツールとして活用が期待できるので、提携を提案していきたい」考えだ。
パートナー先には、セミナーの開催や販売ツールの提供などでバックアップする。
同社は2004年にNISリース㈱の売掛保証事業部として営業を開始。約10万社に上るデータベースに基づいた中小企業向け審査の経験から、独自の与信管理ノウハウを蓄積してきた。10年10月に簡易新設分割により同社が発足。12月にはそれまでの主要顧客だった㈱ラクーンの100%子会社となり、親会社のBtoB事業における保証事業を担うことでさらに実績を重ね、これまで約3000社の顧客企業を持つ。
「大手損保との提携による引受保証枠拡大を実現したことで8、9月は連月で前月比10%増の売り上げとなった。11年度は対前年で2倍の売り上げ規模になる見通しだ。今後は10月に設立した大阪支社で西日本での足場を築くとともに、併せて保険代理店との連携により全国に販売網を展開したいので、ぜひ手を挙げてほしい」としている。
同社は、親会社のラクーンが持つインターネット取引のノウハウを強みにウェブ上で簡単に完結するBtoB後払い決済サービスなども10月24日から提供を開始。今後は、売掛保証事業に加えて、企業情報サービスなど企業が抱える売掛債権の課題全般を解決できる企業を目指している。 |
[2011-11-09]
自転車保険、新たな取り組みが次々スタート
損保各社は、数年前に相次いで自転車保険の販売を中止したが、ここにきて自転車関連の保険に大きな動きが出ている。震災時などにおける利便性や健康志向などから利用者が増える一方、事故も急増。サイクリング協会やコープネット保険センターで昨年度から新たな取り組みを開始したのをはじめ、アクサ損保、チューリッヒ保険、au損保、三井住友海上などが新たな取り組みを始めており、契約も急増している。
昨年は4月にサイクリング協会が朝日火災と連携を開始したほか、㈱コープネット保険センターがコープネット事業連合を契約者とした「コープの団体じてんしゃ保険」(引受保険会社はあいおいニッセイ同和損保)の販売を開始。11月にはアクサ損保が傷害保険を改定して“自転車おすすめパック”をスタートさせた。今年度は東日本大震災以降にチューリッヒ保険の「スーパー傷害保険Lite」の契約が顕著な伸びを見せている。au損保では10月末までの期間限定で販売した開業記念プラン(月額保険料100円)が好評なことから、11月1日に月額保険料100円の「100円自転車プラン」の販売を開始した。三井住友海上では11月中旬にセブンイレブン全店でマルチコピー機を利用した「自転車向け保険」を発売する。
自転車事故の増加から、賠償責任補償を強化する傾向が強いのも最近の特徴。日本サイクリング協会では、賛助会員になることで特典として自転車総合保険などに加入できる制度があるが、近年では補償の内容を「自分のけが」から「第三者への賠償責任」にシフトし、最高5000万円まで補償。「コープの団体じてんしゃ保険」では1億円、チューリッヒ保険の「スーパー傷害保険Lite」では5000万円、「アクサダイレクトの傷害保険」では3000万円、au損保の「開業記念自転車プラン」と「100円自転車プラン」では1000万円、au損保の「自転車ワイドプラン」では保険金額により1000万円または5000万円、三井住友海上の「自転車向け保険」では1億円までそれぞれ補償する。
また、補償のタイプにも特徴が見られる。「コープの団体じてんしゃ保険」では、1契約で家族全員の自転車事故を補償(加入型は保険金額などにより3種類)している。契約タイプを3種類(家族、夫婦、個人)とするのは、チューリッヒ保険、アクサ損保、三井住友海上。チューリッヒ保険では、5月以降の契約急増と同時に個人タイプへの申し込みが増加。アクサ損保では、さらにフルタイムコース(24時間補償)かオフタイムコース(就業中以外を補償)を選択する仕組みで、約半数がオフタイムコースを選択しているという。au損保の「自転車ワイドプラン」では、補償内容の手厚さの順に「プチおし」「イチおし」「イチおしプラス」を用意しており、いずれも好調だ。
そのほか、ヤフー保険や保険市場が三井住友海上と連携した保険を提供。TSマーク(TRAFFIC SAFETY)は、自転車安全整備士が自転車を点検、整備して道路交通法上の普通自転車として確認をしたときに貼られるマークだが、このマークが貼ってある自転車には傷害保険と賠償責任保険が付加される。TSマークの貼られた自転車を運転中に事故を起こした場合は、死亡、重度後遺障害に対する傷害保険金や賠償責任保険金が最高2000万円まで支払われる(同保険の有効期間はTSマークに記載の点検日から1年間)。また、JA共済連や大学生協グループなどでは事故防止のための取り組みを強化している。
自転車に対する取り締まりも強化される方向で、乗り方教室などの開催も増えてきた。今後、新たな動きも出てきそうだ。 |
[2011-11-08]
オリックス生命、楽天で保険6商品のネット販売を開始
オリックス生命は、11月2日から、楽天グループの楽天インシュアランスプランニング㈱(本社:東京都品川区、五味夏樹社長)が運営する保険サイト「楽天の保険」を通じたインターネット保険申し込みの取り扱いを開始した。
取扱商品は、「インターネット申込専用定期保険Bridge(ブリッジ)」「医療保険CURE(キュア)」「医療保険CURE Lady(キュア・レディ)」「医療保険CURE Support(キュア・サポート)」「がん保険Believe(ビリーブ)」「終身保険RISE Support(ライズ・サポート)」の6商品。
同社は、今年5月から、自社のウェブサイトでインターネットによる保険申し込みサービスを開始している。また、10月からは、保険情報サイトを運営する保険募集代理店(通販代理店)で、インターネット保険申し込みの取り扱いを開始。今後も順次、大手通販代理店が運営する保険情報サイトを通じたインターネット保険申し込みの取り扱いを拡大し、サービスの向上を図るとしている。 |
[2011-11-07]
アイエヌジー生命、百十四銀行で法人向け事業保険販売
アイエヌジー生命は、10月24日から百十四銀行で法人向け事業保険の販売を開始した。
アイエヌジー生命は、1986年の営業開始以来、法人向け事業保険分野で業績を伸ばしている。同社は、全国の約5100店(今年9月末時点)の代理店を通じて、事業承継など企業が抱える経営課題の解決に向けて、生命保険を通じた価値あるコンサルティング・サービスを提供している。
同社では、金融機関に対して、これまで主に個人向けの変額年金保険や入院保険を提供してきたが、加えて、今後は全国代理店を通じて培ってきた法人向け事業保険販売の豊富な経験やノウハウも提供していくことで、個人向けと法人向け両面にわたり、金融機関の保険窓販を多角的にサポートしていくとしている。 |
[2011-11-07]
アイリオ生命、「終身医療保険60」など発売
アイリオ生命は、11月1日から、「終身医療保険60(払戻金なし)」と「生活習慣病保険(終身型)」の販売を開始した。
「終身医療保険60(払戻金なし)」は、医療保険の基本的な保障である入院と手術の保障に焦点を絞り、死亡時の保障や解約時の払戻金をなくすことで、手ごろな保険料を実現した。同商品は、資本・業務提携先の楽天㈱(本社:東京品川区、三木谷浩史代表取締役会長兼社長)と共同で企画・開発し、今年9月12日から「楽天の保険」サイトで販売を開始したインターネットチャネル型医療保険「楽天の医療保険スマート」と同じ商品だが、今回、個人代理店チャネルでも販売を開始することにしたもの。性別、年齢を問わず月々82円の保険料を追加することで、先進医療特約を付加できる。先進医療を受けた場合には、技術料の自己負担額と同額を通算1000万円まで保障する。
同特約を付加することで、公的医療保険の対象とならない高額な技術料が必要な先進医療でも費用の心配をせずに安心して治療を受けることができる。
また、既存の「生活習慣病保険(10年定期型)」は、脳血管疾患や高血圧性疾患のような慢性化・長期化しやすい生活習慣病への備えとして顧客から好評を得ているが、一生涯変わらない保険料で保障を得られる商品を望む顧客の声に応え、「生活習慣病保険(終身型)」を開発した。
これにより、顧客は自身のニーズに合わせて2通りの保険期間から選べるようになった。 |
[2011-11-04]
AIU、テレワークフェアで講演
AIUは、テレワーク推進フォーラムがこのほど主催した「事業継続とテレワークin東京~テレワーク機器体験フェア」のセミナーで講演し、在宅勤務制度を試験導入した経緯や運営のポイントなどを報告した。同フェアは、事業継続におけるテレワークの有効性をセミナーなどで紹介するとともに、テレワーク関連機器メーカーの展示や相談会を通じて、今後のテレワーク導入を支援することを目的としたイベント。東日本大震災以降、BCPの観点から在宅勤務制度に注目が集まったこともあって、多数の関係者が来場した。
セミナーでは、AIUビジネストランスフォーメーション部の舘岡真人シニアマネージャーが「震災をテレワークで乗り切った企業の例」をテーマに講演。3月11日の大震災で本社社員の多くが自宅待機を余儀なくされたことをきっかけに、在宅勤務制度の導入を検討し始めた。紙ベースの業務、システムアクセスの依存度、対面業務の割合などを全社的に調査した上で、4月下旬に説明会を開き、一部部門に限定して5営業日間の在宅勤務を試験導入した。実施後、在宅勤務実施者、実施者の管理者、実施者の同僚などのアンケートやレビューをもとに効果や改善点などを検証し、6月下旬から3カ月間にわたって再度試行した。
実施後のアンケートでは、「成果を意識して生産性が上がった」「在宅でできる業務を事前に仕分け、計画的に働く習慣がついた」「在宅勤務者がオフィスにいない間、ほかの勤務者のスキルや知識が向上した」などの副次的な効果を含め、おおむね在宅勤務制度について前向きな評価が多かった。これを踏まえて同社では現在、12月の制度化に向けて準備を進めている。
まとめとして舘岡氏は、在宅勤務制度を運営する際のポイントとして、「目的の明確化」「管理者の理解」「事前説明を含めた調整」「ITのサポート」「ペーパーレス」「モチベーションの維持」「健康管理」などを挙げるとともに、「事前説明会では、在宅勤務ができない理由も多く寄せられたが、制約があるからこそチャレンジすることでイノベーションが生まれると実感している」と述べ、今後の制度定着に向けて意欲を示した。 |
[2011-11-02]
インターリスク総研、三井住友海上、中国リスクマネジメントでセミナー開催
インターリスク総研と三井住友海上は10月3日、東京都千代田区の三井住友海上駿河台ビルで、「第3回中国リスクマネジメントの最前線」と題してセミナーを開催した。インターリスク総研の近藤和夫社長は「今や、世界の企業経営は中国市場を無視しては成り立たない状況だが、文化の異なる中国では、日本で考えられないようなリスクが存在する。本日の日中間のリスク認識の違いに関する実践的な話題を皆さまのお役に立てていただきたい」とセミナーの目的を語った。会場には金融・運輸・化学・自動車などの分野から、海外事業部や国際部問の担当者ら約120人が参集した。
第1部では、「中国における事業継続計画(BCP)構築について」と題して、インターリスク総研の緒方順一氏が講演した。まず、東日本大震災の被害状況を振り返った上で、中国の地震リスクについて言及。四川大地震と東日本大震災とを比較し、中国は日本と比較して地震への対策が徹底されていないと指摘する一方、中国でもBCPへの取り組みは進められているとして、日系企業の取り組み状況について解説した。緒方氏は「事前対策や復旧対策は重要だが、最終的には現場社員の対応力が成否を分けるため、地道な啓発活動も重要だ」と述べ、東日本大震災という大きなショックを受けた今こそ、BCP構築について考えてほしいと締めくくった。
第2部では、三井住友海上の海損部海外企画チームの米原康志氏が「中国を含むSCM対策最前線―輸送貨物の安全―」と題して中国の物流事情について解説した。中国の国際物流では、これまで上海、南京、杭州を中心とする華東地区をはじめとした沿岸地域の発展とともに、これらの地域に属する港湾を通じた輸出入が主体となっていた。しかし、近年では陸路の発達が目覚ましく、輸出型産業だけでなく内需型産業の進出も現実化している。こうした状況を踏まえて米原氏は、港湾、空港、税関、道路、鉄道、倉庫などのインフラ別に水濡れや破損、盗難などのリスクと損害防止策を提言し、「中国では輸送品質という言葉が使われ始めたところ。荷扱いについてはまだ意識しておく必要がある」と語った。
第3部では、グローバル&チャイナビジネスコンサルタントの平沢健一代表が「中国における最新ビジネスリスク事情」について解説した。現在、中国政府が、第12次5カ年計画として産業の高度化を中心に資本の誘致と人材の導入に注力していく方針を打ち出していることを説明。また、促進すべき7大戦略的新興産業として、①代替エネルギー②バイオテクノロジー③IT④高品質製品の生産⑤先端材料⑥代替燃料自動車⑦省エネルギー技術―を挙げているとし、「日本企業の技術を吸収したいと考えている」と指摘した。平沢氏は、中国では労働者の権利意識が高揚しており、人事評価システムにも細心の注意が必要だと述べ、実体験に基いた中国人との交渉術についても紹介した。
第4部では、東龍日聯(丹陽)企業管理有限公司、東通(上海)投資諮詢有限公司の東和男氏が「日本企業の中国に対するリスク管理の要諦」と題して講演した。東氏は「リスクを回避するためには中国の現実をよく知る必要があるが、日本ほど中国の現状が歪曲されて伝えられている国はないのではないか」と日本人の中国に対する認識の偏りを指摘。昨年、名目GDPで中国が日本を上回ったことが話題となったが、中国の実質GDPは1995年時点で日本を抜いており、欧米では中国の進出が大々的に行われていると説明した。中国の各種産業への日本の進出状況についても、全体に占める日系企業の進出件数は約5%と低く、日本の得意分野である環境対策機器や造船分野でも各国に後れを取っていると強調。「日本も戦略的に中国に進出していく必要がある」と語った。 |
[2011-11-02]
三井住友海上、火災保険提案支援システムを開発 三井住友海上は、中堅・大企業向けの包括補償型火災保険「プロパティ・マスター(企業財産包括保険)」の提案支援システム「プロパティ・マスターNavi」を開発し、11月から代理店向けにリリースを開始した。保険料を自動計算するほか、複数パターンの見積書や申込書をスピーディーに作成する。代理店の業務効率化を図るとともに、顧客ニーズに合った契約手続きを迅速・スムーズに行うことで顧客満足度の向上を図る。
プロパティ・マスターは「すべての財産をさまざまな危険から簡単な手続きで補償」をコンセプトにした中堅・大企業向けの火災保険。契約者が所有する複数の物件を包括的に補償対象にするため、補償内容の統一を図るとともに、保険の付保漏れを防止できる。また、新たに取得した物件も自動補償されるため、契約者の事務手続きも削減される。財物損害や利益損失をオールリスク補償する商品となっているが、顧客のリスク実態に応じて個別に補償を選択設計することも可能だ。
今回開発した新システムでは、必要事項を入力するのみで保険料の算出が自動計算されるとともに、誤って入力した場合にはエラーメッセージを表示する機能を持つことから、適正保険料が簡単・確実に算出できる。申込書や見積書など契約の際に必要な帳票類は自動印字して発行するため、代理店の業務負荷の軽減や、記入漏れ・記入ミスの減少が期待される。
また、データコピー機能によって複数パターンの見積書作成に迅速に対応するとともに、作成した入力内容を保存することで更改手続きをスムーズに行える。さらに、入力したデータは同社と代理店の間で共有できるため、顧客の個別ニーズに連携して対応し、リスク実態に見合った商品設計を素早く提案することも可能だ。
中堅・大企業を対象にした火災保険は対象物件も多くなりやすく、料率の算式も複雑なため、営業社員の対応が不可欠だった。今回のシステム導入により代理店でも確実に提案・契約手続きができ、営業社員との連携も従来よりもスムーズになったことから、既存契約の深耕だけでなく、新規案件の開拓を図る。
同システムは構想から1年弱で開発し、6月中旬に同社社員に先行導入した。実際に使用した社員からの操作に関する意見などを参考に改善し、今回、代理店向けにリリースした。
同社では「将来的には商品説明から契約手続きまでのすべてのプロセスを画面上で進行できるシステムへのバージョンアップを計画している。代理店の利便性向上や業務効率化を図るとともに、社員がより質の高いサポートができるようなシステムを今後も提供したい」としている。 |
[2011-11-01]
あいおいニッセイ同和損保、事業所向け賠責を拡充
あいおいニッセイ同和損保は、中小事業所に対し、顧客ニーズに応じたより手厚い補償を提供するため、11月1日保険始期契約から雇用慣行賠償責任保険(EPL保険)定型プランの販売を開始した。同プランは、セクハラ、差別、不当解雇などに起因し、従業員などから損害賠償請求がなされたことにより企業や役員が被る損害を補償する保険。
終身雇用制の終焉や非正規社員化、女性の職場進出などの就労構造の変化や長引く景気低迷による厳しい雇用環境を背景として、労働紛争などのトラブルが増加し、雇用リスクを補償したいという顧客ニーズは事業規模の大小にかかわらず、高まっている。
あいおいニッセイ同和損保では、こうしたニーズに対応するため、雇用慣行賠償責任保険(EPL保険)定型プランの販売を開始したもの。
販売対象は従業員20人以上の製造業、販売業、飲食業、サービス業、建設業、運送業、介護・福祉業などで、セクハラ、差別、不当解雇などの不当行為に起因し従業員などから損害賠償請求がなされたことにより、企業や役員などが被る損害を補償する。支払限度額はAプラン1000万円(不当解雇の場合500万円)、Bプラン2000万円(同1000万円)、Cプラン3000万円(同1000万円)。
同社では、中小事業所の顧客に対し、「チェック&ガード提案」(注)を通じて「Tough Biz(タフビズ)」シリーズを案内し、企業を取り巻くあらゆるリスクに対し、総合補償提案を実施している。EPL保険(定型プラン)は、既に販売しているリコールリスクに対応する食品製造業者向けの生産物回収費用保険(リコールプロテクション)と同様、この総合補償提案を補完する商品となる。
一方、同プランは、これまで中小事業所マーケットにおいて幅広く販売していなかった新たな補償を提供する商品であることから、雇用リスクや商品内容などについて一定の知識を有した代理店・扱者のみが販売できる商品とし、適切な商品説明や募集が可能な販売体制を整備している。
同社では、今後とも企業のリスク対策にさまざまな選択肢を提供し、顧客の事業経営を支援していくとしている。
(注)チェック&ガード提案:簡易リスク診断などで業種別の固有のリスクを洗い出し、業種別のタフビズパッケージまたは業種別専用商品により、経営者に合理的な補償提案を行う同社独自の中小事業所向け提案活動。 |