[2014-11-28]
生保協会が健康増進と高齢者対応を推進、イベント開催や健康アプリ提供の計画を発表
生保協会の渡邉光一郎協会長は11月21日に行われた日銀記者クラブの定例会見で、「健康増進啓発プロジェクト」と「高齢者向けの生命保険サービスに関するガイドライン」の策定について報告した。本年度の所信で渡邉協会長がキーワードとして掲げた健康増進啓発と高齢者対応に対するもので、イベントの開催や健康アプリの提供を計画しているという。こうした具体的な施策の実行を通じて、業界を挙げた社会的課題への取り組みを推進する。
渡邉協会長ははじめに、「Empowering Health〜ずっと輝く健康〜」と題した健康増進啓発プロジェクトについて説明した。社会保障の持続可能性を高める観点から、国の成長戦略に掲げられた「国民の健康寿命の延伸」というテーマに沿って同プロジェクトを発足。@自治体や地元メディアとの共催による健康増進イベントの開催A生活習慣病予防知識の普及に向けた情報発信B会員各社の取り組み事例の共有化―を3本柱に据えた具体的な施策を紹介した。
健康増進イベントとして、2015年の2月から4月にかけて、沖縄県浦添市、福岡県福岡市、岡山県倉敷市、宮城県仙台市の4都市で、運動と食をテーマに著名人や有識者による基調講演を行う他、ウオーキング大会などを実施する。
生活習慣病予防知識の普及に向けては、来年1月に、運動と食をテーマとした同協会で初となるオリジナルの健康アプリ「健増くん」を無償提供する予定だ。アプリには歩数計やカロリー計測、ダイエット運動動画などを搭載する予定で、渡邉協会長は「こうした取り組みを通じて、幅広い世代に対してセルフメディケーションの意識を浸透させたい」と訴えた。また、会員各社の取り組み事例については、来年2月に結果を公表することを明かした。
一方、「高齢者向け保険サービスに関するガイドライン」は、超高齢社会の伸展に対応して「保険加入時」「契約継続時」「手続発生時・手続時」の各場面で高齢者の特性に配慮した適切で分かりやすい対応を行うための基本的な考え方・留意点を整理したもの。これによって業界内の目線を合わせ、各社の自律的なPDCAサイクルの中で高齢者向けサービス向上の継続的な取り組みにつなげていく方針だ。
また、9月に発表した女性活躍推進の施策の一つである「子育てと仕事の両立支援プロジェクト」の公募状況も報告。同プロジェクトは、保育所や学童保育の受け皿拡充と質の向上を目的に助成するもので、10月末の締め切りまでに、全国から322件の応募があった。今後、外部有識者を交えた選考審査会で助成先を決定し、来年1月に結果を公表するという。
この他、消費税増税が先送りされたことに関する記者からの質問に対して、回答。渡邉協会長は、高度な政治判断として尊重すべきとした上で、社会保障の補完産業の観点から、「先送りの是非ではなく、社会保障と税の一体改革に関する議論が国民レベルにまで広がる必要があるのではないか」との見解を示した。
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[2014-11-27]
「マイカー通勤労務管理セミナー」で富士火災が講演
富士火災マーケット部の大村健二氏は、11月13日に東京中小企業投資育成鰍ェ主催した「マイカー通勤労務管理セミナー」で、マイカー通勤によるリスクと対策について講演した。企業が容認するマイカー通勤や、マイカーの業務使用で発生する各種問題を指摘し、解決策を提示。参加者に管理制度を導入するよう求めた。主催企業の社内で行われた同セミナーには、企業経営者や経営幹部など100人以上が参加した。
大村氏はまず、各都道府県別に見たマイカー通勤労働者の割合について説明した。2010年の国勢調査結果によると、東京都や大阪府などの大都市圏では、鉄道などの公共交通機関を利用する人が多く、その他の37道県では、半数以上が自家用車を利用している。大村氏はこれらを踏まえ、「問題視しなくてはならないことは、従業員の通勤時での交通事故だ。企業は、従業員が交通事故を起こした場合のリスク対策を考えておく必要がある」と述べ、従業員が通勤途中で事故を起こして他人にケガをさせてしまった場合、その従業員が無保険だったり、保険金が不足していたりして賠償資力がないときは、被害者が企業に対して損害賠償請求を訴えてくる可能性があると説明した。
事故を起こした従業員本人は、不法行為や運行供用者責任(人身事故の場合)が問われ、企業は民法第715条第2項により、使用者に代わって事業を監督する者にも同様の責任があると定められているため、その事業を担当する企業の取締役や執行役員なども個人として連帯責任を負うことがある。「マイカー通勤によるリスクは、従業員の個人的な問題だけでなく、企業側も賠償責任を起訴される可能性がある。その請求額によっては経営困難に陥ることも考えられるため、極めて重大な問題だ」と危険性に言及。企業は、マイカー通勤のリスクを回避・低減するために厳重な管理制度を構築するなど、万一に備えて準備をしておかなくてはならないと強調した。
【リスク対策】
マイカー通勤管理制度については、従業員に会社の免責事項や心得などを提示して意識を共有することや、許可制度では運転免許の所持だけでなく、運転の適性を充たしているか、過去に重大な事故を起こしていないか、指定の補償額以上の自動車任意保険に加入しているか―など、事前に細かくチェックするプロセスを構築すべきとした。
他にも、従業員が車検を受けていなかったり、保険証券を解約していたりなどの情報を確認するには、自動車保険証券の写しの提出のみでは不十分だとして、ITを使用して労務管理を行うやり方を紹介。富士火災が独自に制作した「マイカー通勤管理ソフト」を無料配布し、活用法を説明した。
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[2014-11-26]
明治安田生命、利差配当付一時払定期と終身の2新商品を窓販に投入
明治安田生命は、12月1日から提携金融機関で、5年ごと利差配当付利率変動型一時払定期支払金付終身保険「つかってのこせる終身保険」を販売する。同商品は、「定期支払金」を契約の1年経過後から一定期間、毎年、受け取ることができ、万一の死亡保障を生涯にわたって準備できる一時払終身保険だ。また、同日から5年ごと利差配当付利率変動型一時払逓増終身保険「3増法師U/かんたん持続成長プラスU」も販売を開始する。同商品は、死亡保険金が増加する仕組みを備えた一時払終身保険。
医師の診査や健康告知なしで申し込める「つかってのこせる終身保険」は、定期支払金を契約の1年経過後から、第1保険期間満了日の翌日まで、毎年の契約応当日に被保険者が生存している場合に受け取ることができる。受け取ることができる回数は、契約年齢が20歳から75歳までは20回、76歳から85歳までが15回となる。受け取り額は、契約日の予定利率、被保険者の年齢と性別に応じて決まる。
被保険者が死亡した場合は、所定の「死亡保険金」を支払う。定期支払金を受け取った回数にかかわらず、死亡保険金は一時払保険料相当額以上となる。
予定利率計算基準日における予定利率が最低保証予定利率(年0.50%)を上回る場合は、死亡保険金が増加する。同商品では、解約または減額などの際の解約返戻金額の算出に当たり、市場金利の情勢に応じた運用資産の価値の変動を解約返戻金額に反映させる市場価格調整を行うため、解約返戻金額が一時払保険料を下回り、損失が生じる恐れがある。
一方の5年ごと利差配当付利率変動型一時払逓増終身保険は、みずほ銀行、みずほ信託銀行やその他提携金融機関では「3増法師U」の販売名称で、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行では「かんたん持続成長プラスU」の販売名称で取り扱う。同商品は、契約後10年間は、毎年一定の割合で死亡保険金が増加し、死亡保険金が増加する割合(逓増率)は、契約日の予定利率、被保険者の年齢と性別に応じて決まる。また、契約から10年後にも、死亡保険金が増加する。10年後の死亡保険金は、契約日の予定利率、被保険者の年齢と性別に応じて決定する。予定利率計算基準日における予定利率が最低保証予定利率(年0.80%)を上回る場合はさらに死亡保険金が増加するという特徴を持つ。
申し込みは、健康に関する2項目の簡易な告知で完了する。
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[2014-11-25]
東京海上日動メディカルサービスがメンタルヘルス対策ソリューション「TMSナビ」を提供
東京海上日動メディカルサービスがメンタルヘルス対策のソリューションとして提供している「TMS NAVIGATOR(TMSナビ)」が労働安全衛生法改正の動きと共に注目されている。同サービスは、メンタルヘルス対策の基本である従業員個人のケアの支援「コアプログラム」と組織のメンタルヘルス対策・サポート対策強化の支援「ナビプログラム」の両輪で人材と組織の活性化を支援するもの。2015年12月に従業員50人以上の企業に義務付けられる従業員のストレス検査に対応している。
同社はメンタルヘルス対策の基本を、事業者が主体的に四つのケア「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場外資源によるケア」「事業場内産業保健スタッフなどによるケア」の効果的な運用・推進に取り組むことだと考えている。提供しているメンタルヘルス・ソリューションTMSナビは、従業員個人向けサービス「コアプログラム」と組織(人事)向け支援サービス「ナビプログラム」で人と組織が連動した四つのケアを効果的に推進する。
「コアプログラム」はストレスチェック(ナビチェック)とカウンセリングのメンタルヘルスケアパッケージを全従業員が利用できる。ストレスチェックは携帯電話からも利用でき、ウェブ上で自分の状態を確認できる(何度でも実施可)。データは保存できるため、定期的なチェックや振り返りも可能だ。カウンセリングは相談者ごとに担当の臨床心理士が対応し、相談者の意向に沿った相談方法で一貫してサポートする。同社は14年5月現在、医療機関、カウンセリング機関合計で479機関とのネットワークを有しており、日本全国での対応が可能だ。
また、ナビチェック実施結果を集計結果報告書として人事担当者にフィードバックするため、組織としての課題が一定程度明らかになる。そのため、データに基づいたメンタルヘルス施策の検討に進むことができる。さらに、毎年実施することにより組織のメンタルヘルス状態を経年経過で確認することが可能だ。これにより、状況に応じた施策検討、実施、振り返りといったメンタルヘルス施策のPDCAサイクルづくりが可能となる。
一方、「ナビプログラム」では、組織ごとにメンタルヘルス対策に精通した専任のナビパートナーを配置。定期訪問や専用のサポートデスク回線(電話)を通じて人事・労務管理スタッフをバックアップする。1次予防から3次予防、メンタルヘルス対策のための仕組みづくりサポートや社内のメンタルヘルスケアの担当者育成などをフルサポートすることにより、活力ある組織づくりを目指す。
健康プロモーション事業部EAP室兼営業開発部の西城戸徹特命次長は「メンタルヘルス対策は、従業員個人のものとして捉えるのではなく、組織的な観点から対策を進めていくことが大切だ。人事労務部や産業保健部門との連携を密にし、厚労省の指針である四つのメンタルヘルスのケアと融合して取り組んでいきたい」と語る。
田俊博部長は「当社は1987年の創立以来、業界の中ではいち早く医療・健康増進をサポートするプロフェッショナル集団として顧客に最大の満足を提供するトータルヘルスケアコンサルティング企業を目指してきた。メンタル不調者の早期発見・早期対応だけでなく、企業の生産性向上を高めることができる当社の質の高いメンタルヘルス対策のソリューションを活用してもらいたい」と話している。
また、同社は東京海上日動が中小企業経営者の企業経営を支援するために運営している「WINクラブ」が提供するメンタルケア・ホットラインにも力を入れている。同サービスは電話、対面、ウェブからの相談が可能で、問題の早期解決、職場環境の改善と従業員の心の健康づくりにつながると顧客から高い評価を得ている。
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[2014-11-21]
アクサ損保のペット保険が伸展、1カ月当たり新契約件数が約4倍に
アクサ損保のペット保険は、昨年度以降に行った保険料引き下げなどの三つの施策が奏功し、1カ月当たりの新規契約件数が対前年の約4倍となった。更改の際も約9割が継続しており、保有も順調に拡大している。主力とする直販チャネルだけでなく、提携を強化するベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)の代理店チャネルでの好業績や同社の知見が大きなバックアップとなり、業績を伸ばしている。
アクサ損保は2013年4月に保険料を引き下げたこと、同年10月から終身継続を可能としたこと、14年2月にペット保険のブランド名を「アクサダイレクトいぬのきもち保険」「アクサダイレクトねこのきもち保険」に変更したことで、1カ月当たりの新規契約件数がそれ以前と比べて約4倍となった。
特に、保険料は犬で平均20.8%、猫で平均7.6%下がっている。犬を例にすると、ミックス・マイクロチップ装着あり・プラン50の0歳時保険料は月払いで1580円。同条件で終身継続した場合、12歳の3050円をピークに13歳で2950円に下がり、14歳以降は2540円で一定となる。通院・入院・手術などの幅広い医療保障を、高齢になってもより少ない負担で提供できるようになった。満13歳まで新規で加入できる加入年齢の幅の広さも業界トップクラスだ。「ペットを長く大切に育てるという飼い方の変化や長寿化に応えたかった。ヘルスチェックが必要な9歳以降の申し込みが格段に増えると同時に0歳、1歳の申し込みも増え、良い効果が表れている」とペット保険営業部門を統括するエージェント&バンク営業部の砂子弘部長は話す。
ペット保険の販売チャネルでは、同社が主力とする直販チャネルが6割を占めるが、近年提携を強化してきたベネッセのチャネルも着実に伸びており、二つの大きな柱となっている。また、雑誌「いぬのきもち」「ねこのきもち」を発行しているベネッセからは、ブランド名や販売チャネルの提供だけでなく、ペット愛好家に関するさまざまな知見が得られることが大きいという。
「ベネッセは犬や猫の飼い主に飼育に関する情報を提供する立場にあり、理想的なビジネスパートナーだ。今年10月に刷新したパンフレットは、同社の知見が詰まっている。従来の商品特徴を前面にしたものではなく、お客さまに提供できる価値は何なのかに主眼を置いて改訂した。ペット保険の必要性を理解してもらえるような内容になっている」という。パンフレットの中には「保険って、いざという時はもちろんですが、意外と身近なものでもあります」→「あんしん:身近な通院からから高額な治療までしっかり保障」、「病院行くほどでもなさそうだけどなんだか心配。そんなとき、ちょっと相談できるといいですよね」→「つかえる:獣医師による相談サービスが24時間365日、無料でご利用いただけます」などの顧客目線に立ったメッセージが、吹き出しつきの分かりやすいイラストとともに記載されている。
申し込みや資料請求の方法では、「近年インターネットの重要性が増している」と砂子氏は強調する。サイトへのアクセス数は13年3月に比べて約5倍になり、スマートフォン(以下、スマホ)による資料請求も格段に増えているという。
今後の重点施策としては、テレビCMやキャンペーンの展開なども含めたさらなる認知度向上を掲げる。愛犬家であるタレントの山本梓さんを起用したテレビCMもペット保険の裾野を広げるという観点では大きな成果があったと同社では評価している。「ペット保険の加入率はまだ低いのが現状で、今後10〜15%まで伸びる余地が十分にあると思う。その中でマス広告の展開など当社の強みを生かしながら、ペット保険を飼い主の方々にさらに認知していただくとともに、業界の成長に貢献したい」と話す。
ビジネスパートナーであるベネッセは、ペットの飼い主にリーチできる重要なチャネルと捉え、今後も関係を強化していく。さらに同社の豊富な知見を販売だけでなく社員教育にも生かしていく予定だ。
「当社はダイレクト販売で自動車保険を伸ばしてきたが、ペット保険も基本路線は変わらない。手厚い保障を通販ならではのリーズナブルな保険料で提供していく。アクサグループ全体で見れば、自動車保険や生命保険など幅広い種目を提供している。その強みを生かし、当社ならではの施策を展開していきたい」と砂子氏は展望する。
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[2014-11-20]
第一生命、人口構成変化など受けライフエンディング・ステージを重視へ
第一生命は人生の終末期と遺族などの死後の生活再構築時をライフエンディング・ステージとして位置付け、その支援に力を入れている。同社は、法人営業や個人の相続などのコンサルティングを行うFP業務担当者を現在420人擁しているが、そのうち84人を「相続コンサルタント」に任命して全84支社に配置。公的なものも含めた家族が行う各種手続きや死亡保険金の手続きなどについて相談・助言を行っている。また、2014年4月から同社専任講師による「相続セミナー」を全国展開しており、開催回数はすでに100回を越えている。
わが国では近年人口構成や家族構成の変化が大きく、また来年1月には相続税法が改正される。同社はそのような環境変化を踏まえ、昨年度からライフエンディングのコンサルティングに注力している。2013年12月にスタートさせた「一生涯のパートナーWith You プロジェクト」で強化する取り組みの一つでもある。
ライフエンディングのコンサルティングは、個人の死亡に直接的に関わる生命保険の特性に加え、同社の営業職員という対面チャネルの強みがいかんなく発揮される分野でもあり、生前には、被保険者本人の生活の質(QOL)の維持・改善を支援し、本人の死後は葬送や遺産相続など遺族の相談に対応する。「相続コンサルタント」は、@死亡保険金案件への各種コンサルティングA生前贈与や二次相続対策によるコンサルティングB相続セミナーを通じてライフエンディング・ステージの啓蒙(けいもう)やその対応策のコンサルティング―などのミッションを担う。
同社は、相続コンサルタントの配置だけではなく、営業職員向け教育の充実、コンサルティングツール類にも注力する。具体的には、相続コンサルタントがコンサルティング時に活用する関連情報のファイルである「相続コンサルティングファイル」を作成した他、第一生命版エンディングノート「大切な方への絆ノート」や、「相続について考える本」「セカンドライフについて考える本」「生前贈与のきほん(冊子、DVD)」を作った。また、コンサルティング時に顧客に配布する「生命保険と相続シリーズ」のチラシなども用意。さらに、営業職員向けに「相続対策」、相続コンサルタント向けに「相続対策セミナー講師としてのポイント」といったDVD教材も提供している。
セミナーは60〜70歳代のシニア(親)や40〜50歳代のミドル(子)を主な対象として、シニア世代が夫婦や親子で考えて解決の糸口を探るきっかけを提供する。専門家や同社の相続コンサルタントが講師となり、セカンドライフの不安や課題への気付きに示唆を与え、その後課題解決案を提示する内容だ。「保険金は受取人に確実に支払われる」「500万円×相続人数分までは非課税」などの保険金活用のメリットも紹介する。
経済産業省では、ライフエンディング・ステージを支援する担い手の一つに保険会社を位置付けているが、同社の専門部署であるマーケティングアクションタスクフォースの垣並徹次長は「高齢化の進行でこれからライフエンディング・ステージを迎える方が増加する。死亡保険金の支払いだけにとどまらず、生前の契約者や残された家族が必要とする情報や商品・サービスを提供すべきだ。当社では、われわれこそがその主な担い手になるべく、いち早く取り組みを開始した」と話す。
また教育部FPサポート室の斉藤啓一郎課長は「セミナーは広く一般の方を対象にしている。当社の契約者ではなく、過去のセミナー参加者で夫を亡くした方からの相談に営業職員が丁寧に対応したことで、新規保険契約に結び付いた事例もある。多くの方に活用いただけるようセミナーの拡充を図るとともに、営業職員やFPのスキルをさらに高めたい」としている。
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[2014-11-19]
東京海上日動と東京海上研究所が自然災害リスクセミナーを開催
東京海上日動と東京海上研究所は11月6日、東京都千代田区の東京海上日動ビル新館で自然災害リスクセミナーを開催した。東日本大震災や台風・豪雨による広域浸水被害など、自然災害による損害事例が増加しており、今後、大都市で災害が起こった場合の対応や早期復旧などが重要な課題となっている。同セミナーでは、自然災害リスクが大都市に与える影響などについて専門家が講演とパネルディスカッションを行った。同社の顧客など約250人が参加した。
冒頭、東京海上日動の永野毅社長があいさつし、「昨今の自然災害の多発により、防災・減災の必要性を再認識している。日本は自然災害大国であり、政府・自治体・研究者・企業が連携して対策を強化することが必要だ」と述べた。
関西大学社会安全学部の河田惠昭教授は「高まる自然災害リスクと大都市の脆弱(ぜいじゃく)性」をテーマに、自然災害リスクの種類や特徴、首都直下地震や東京湾高潮氾濫の被害想定などについて解説し、災害対応の経験や失敗を将来に生かすための検証、あらゆる規模の災害を前提に対策を検討することの重要性を指摘した。また、減災社会を実現するためには広域災害を地域限定災害に抑えるような対策を検討するとともに、各種ネットワークの独自性を強化するなどして大都市の被害拡大を防ぐ必要があるとの考えを示した。
東京海上日動リスクコンサルティングの庄子憲義常務執行役員は「防災とリスクコンサルティング」をテーマに、リスクの定量評価の目的や重要性などについて解説した。また、水害や高潮、地震・津波リスクなどについて、モデルを活用した確率的なリスク評価や特定シナリオに基づくリスク評価などの手法によって可視化・定量化できるとした上で、その具体事例を紹介。「経営や事業に対してインパクトの大きい自然災害リスクを目的に応じて定量的に可視化することにより、リスク対応の意思決定や対策促進を支援することができる」と述べた。
パネルディスカッションでは、河田教授がモデレーターを務め、国土交通省水管理・国土保全局防災課の石橋良啓課長、東京都総務局総合防災部の森永健二事業調整担当課長、ローソンのリスク・コンプライアンス統括室の吉田浩一室長がパネリストとして登壇し、首都直下地震のような、被害の全貌が事前に把握困難なスーパー都市災害への対応と課題について討論した。
石橋課長は首都直下地震の重点対策として、密集市街地での火災に対する避難場所・避難経路の確保や延焼防止などに取り組んでいることを説明した。また、「災害対策基本法の一部を改正する法律案」が10月に閣議決定されたことにより、今後、大災害時の放置車両対策が強化されることを明らかにした。
森永課長は東京都帰宅困難者対策条例について触れ、従業員の一斉帰宅の抑制や安否確認手段の周知は事業者の責務であると強調。一方、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設の確保や帰宅支援は公の責務であることから、東京都では整備促進などに努めているとした。
吉田室長は同社の東日本大震災での対応について、東北6県を中心に約860店舗が被害を受けたが、日頃からの避難訓練により、直接雇用の社員には被害がなかったこと、震災発生後、直ちに災害対策本部を立ち上げて救援物資の支援や店舗の早期復旧に取り組んだことなどを説明した。
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[2014-11-18]
ソニー損保、「やさしい運転」で保険料が戻る自動車保険を発売へ
ソニー損保は、ウェブ専用の新しいタイプの自動車保険「やさしい運転キャッシュバック型」を2015年2月中旬から販売する。急発進・急ブレーキの少ない「やさしい運転」で保険料が戻るというもので、同社オリジナルの小型計測器「ドライブカウンタ」で計測した、加速・減速の発生状況(運転特性)を保険料に反映させる。11月17日からは、ドライブカウンタによる計測を無料で試すことができる「30日間無料トライアル」の受け付けを始めた。保険料が高くなりがちなドライバーも、やさしい運転でキャッシュバックを受けることで、保険料の節約が可能になる。
同社が来年2月に販売を開始するのは、契約車両に設置したドライブカウンタがドライバーの運転特性を計測、事故リスクを点数化して評価し、点数に応じてキャッシュバックするというもの。「車の急発進・急ブレーキの発生状況」と「事故リスク」の相関が確認されたことから、契約者に急発進・急ブレーキの少ない「やさしい運転」を推奨する。
同商品を申し込むと、保険始期日に合わせてドライブカウンタが届けられる。ドライブカウンタは付属のテープで契約車両に設置できるため、工事などを行う必要はない。設置後に運転すると、ドライブカウンタが自動的に計測を開始。計測した運転特性から事故リスクを評価し、その時点までの結果が100点を満点に点数で常時表示される。「ふんわりとアクセルを踏む」「なめらかにブレーキをかける」ことが高得点につながり、キャッシュバック額も高くなる。
契約者は、所定の計測期間などを満たした場合に、ウェブサイトの専用ページから計測結果を申告。計測結果60点以上で、点数に応じた保険料がキャッシュバックされるという流れだ。キャッシュバック率は、90点以上で20%、80点〜89点で15%、70点〜79点で10%、60点〜69点で5%、59点以下はキャッシュバックなし、となっている。
計測終了後は、同社がドライブカウンタを回収。ドライブカウンタに記録された運転特性データを基に「運転計測結果レポート(やさしい運転 診断レポート)」を作成し、契約者に提供する。計測期間中の運転特性の詳細を確認してもらうことで、「やさしい運転」をサポートしていく。
同商品は、従来の自動車保険に「やさしい運転特約」をセットした商品。対人・対物賠償保険、人身傷害保険、車両保険などの基本の補償、無料付帯のロードサービスや事故対応サービスなどは、従来の自動車保険と同じ内容で提供する。
ドライブカウンタは、同社とオプテックスが共同で開発した同商品専用の計測器。オプテックスのドライブレコーダーなどに搭載の運転挙動を判別する独自のセンシング技術の上に、ソニー損保の保険評価システムを組み合わせた構成。
同社によると、運転特性を保険料に反映させるのは日本で初めてだという。今回導入する「運転特性を反映した自動車保険料算出システム」は、特許出願中だ。
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[2014-11-17]
AIUが信用金庫・信用組合との提携強化、金融機関窓販拡大へ
AIUが金融機関窓販を徐々に拡大させている。全国の信用金庫と提携して会員企業向けに労災上乗せ保険を販売するスキームが軌道に乗り、今年に入って数庫が取り扱いを始めた。募集前の研修からコールセンターなど募集後のフォローアップまで一貫した支援体制が好評を得ている。信用金庫や信用組合などの地方金融機関は業界内でのつながりが強く、今後、一気に提携が加速する可能性がある。
同社の窓販スキームは、提携を結んだ信用金庫の渉外担当者などが会員の中小企業に政府労災の上乗せ補償商品「ハイパー任意労災(業務災害総合保険)」を販売する一方、事故報告や保険金請求手続きなどの対応をAIUが引き受けるもの。ハイパー任意労災は、業務上のけがによる死亡、後遺障害、入院・通院や、法律上の賠償責任に対応するとともに、過労死(労災認定に限定)、うつ病などのメンタルヘルスに関するリスクもカバーする。
補償の他に、付帯サービスとして健康相談ダイヤルやメンタルケアカウンセリングなど、事故が起こらなくても受けられるサービスも充実しており、中小企業の福利厚生の一環として活用できる。取り扱いを始めた信用金庫でも、「会員の企業には、保険の提案というよりも労務リスクに関する経営アドバイスと受け止めてもらっており、違和感なく話を進められる」と好評だ。
金融機関窓販マーケットでは個人向け商品が主流だが、AIUは、法人企業の組織である法人会で会員向け制度商品を販売するなど、中小企業市場に強い。ハイパー任意労災の主要顧客層も信用金庫の法人顧客層と重なっており、中小企業の保全・育成を図るという信用金庫の本業目的とも合致することから、窓販スキームを構築。2011年に愛知県の岡崎信用金庫と提携したのを皮切りに、翌12年に福岡ひびき信用金庫、13年に福島県の白河信用金庫と北海道の小樽信用金庫、今年に入って福島県の郡山信用金庫、岩手県の一関信用金庫、鳥取県の米子信用金庫と、全国各地の信用金庫と代理店委託契約を締結した。
提携金庫数が増えるにつれて、サポート体制も充実させており、現地の営業支店の他、立ち上げ時の研修や販売開始後のフォローアップなど専門的なサポートを本社の金融法人企画開発部が受け持つ。昨年、専用のコールセンターも立ち上げており、日常業務の照会などにも対応する。
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[2014-11-14]
大同生命、自動引受査定エンジンなど導入に向けミュンヘン再保険Gとライセンス契約締結
大同生命と、ミュンヘン再保険会社傘下のミューニックリーオートメーションソリューションズ(MRAS)はこのほど、自動引受査定エンジン(AIS=Allfinanz Interview Server)、データ分析・レポーティングモジュール(Allfinanz Business Analytics)のライセンスをMRASが提供することで合意し、ライセンス契約を含む必要な契約全てを締結した。併せて、ミュンヘン再保険会社日本支店(生命再保険)(ミュンヘン再保険)が構築したAISに搭載される自動引受査定ルール(傷病ごとに査定に必要な情報の確認を行う対話式ドリルダウン質問)の提供についても、契約を締結。今後、大同生命の査定標準に合致するよう、共同でドリルダウン質問(回答に応じて対話形式に展開される質問)にカスタマイズする予定だ。
大同生命は、顧客サービスと事務効率の一層の向上を実現するため、新契約手続きの円滑化、医務査定の迅速化、保険引き受けの高度化を目指し、MRASのAISを導入する。新契約手続きで告知事項がある場合、AISでは、その傷病に応じた対話型のドリルダウン質問が展開されるため、顧客にとって分かりやすい告知プロセスとなっている。また、引き受け査定に必要な情報をより的確に取得することが可能なため、顧客の利便性が大幅に向上するとともに、大同生命の事務効率も向上する。
大同生命が今回導入するAISは、これまで他の生命保険会社で導入されてきたオンライン版ではなく、MRASが新たに開発したオフライン版となる。オンライン版AISでは、申込者による告知プロセスは使用する端末がインターネットに接続された状態(オンライン)を前提としていたが、オフライン版では端末がインターネットに接続していない状態で、ドリルダウン質問が可能になる。オフライン版AISは、大同生命が既に全国の営業担当者への配布を完了している新しい営業端末上で、2016年内の稼働開始を予定している。
AISは、パソコンやタブレット端末などの画面上で告知取得を行い、かつ、申し込みのその場で引き受け判断や引き受け条件の決定を行うことを可能にした自動引受査定エンジン。引受査定ルールと呼ばれるドリルダウン質問が搭載されており、従来の紙ベースによる告知プロセスでは取得が難しかった被保険者の詳細な健康状態や、病歴情報の入手を可能にする。導入できる販売チャネルに制限はなく、営業職員、乗合代理店、コールセンター、インターネット・ダイレクト、銀行窓販で引受査定プロセスを自動化することができる。ドリルダウン質問によって、健康状態に関する詳しい情報を取得できるため、追加で医的証明書を求める頻度が少なくなるなど、顧客の負荷を軽減でき、同時に査定者に回付されるケースも削減されるため、保険会社のコスト削減、売り上げ向上にも役立つ。
Business Analyticsは、引受査定のプロセスで入手できる新契約の情報を基に自動引受査定ルールを最適化する。また、営業員のパフォーマンス、販売戦略、商品戦略などに有効な分析やレポートを提供する新契約情報の分析、レポーティング・ツール。既にテンプレート化されている標準レポートの他に、ユーザーが自由にレポートを定義・作成することも可能だ。
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[2014-11-13]
損保ジャパン日本興亜リスク、海外進出企業への自然災害リスク情報提供サービスを開始
損保ジャパン日本興亜リスクマネジメントは11月5日から、海外進出を検討している企業や、進出中の企業に向けてグローバルリスク情報サービス「SORA ONE」の提供を始めた。同サービスは、インターネット上で、世界中の地震、洪水、風速などの自然災害リスクの洗い出しや評価を行う。地図上で、海外の複数の自然災害リスクを把握することができ、事前対策を可能にする。同社では、年間50件、5000万円の受注を目指す。
同サービスでは、登録した顧客の自社拠点や取引先などの自然災害リスク情報をインターネット上で提供。自然災害リスクを地図上に表示する他、複数の拠点を登録できる。こうした情報は適地選定の判断基準となり、リスクに合った事前対策を可能にする。
独自に開発したリスク評価で、各拠点のリスクを指数化して比較する。詳細な評価が必要な場合は、別途リスク調査などのコンサルティングサービスも提供する。日本語をはじめ、英語と中国語に対応している。
自然災害に対するリスク分析ツールとして、自社の拠点だけでなく、サプライヤーの拠点を含めた簡易的なリスク評価が可能となる。また、最近発生した自然災害も地図上で把握することができる。
損保ジャパン日本興亜と取引のある法人には、所定の手続きで自然災害リスク情報の一部の表示機能を無料で提供する。機能などで費用は異なるが、リスク情報の表示に加え、拠点登録やリスク評価比較などの機能を提供する標準的なプランは、1年間で98万円(税抜き)となる。
2011年に発生した東日本大震災やタイ洪水で、企業は自社施設だけでなく、サプライヤー拠点の被災で、事業の長期中断を余儀なくされた。世界各地で大規模な自然災害が発生する中、多くの企業では国内だけでなく、海外の拠点やサプライヤーのリスク情報の洗い出しを行う動きが加速している。こうしたことを背景に、同社には「国や地域ごとに複数の自然災害リスク情報を自ら入手するのは労力が掛かる」「多数の拠点、サプライヤーを一度にスクリーニングしたい」など、海外の自然災害リスク管理上の悩みや要望が寄せられていた。同社では、これらの要望に応えるため同サービスを開発。今後は、対象リスクの拡大やサプライチェーンリスク管理機能への拡張を計画しており、企業のグローバル展開や海外拠点のリスクマネジメント体制の強化を支援していく。
同サービスの名称「SORA ONE」は、上空から世界中の自然災害リスクを俯瞰するイメージで、複数の自然災害リスク情報を一つのツールで把握できるという意味が込められている。
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[2014-11-12]
アクサダイレクト生命、TISの「Callクレヨン」導入しウェブとセンターの連携を強化
アクサダイレクト生命は8月からITシステムベンダーのTISが提供するサービス「Callクレヨン」を導入している。コールセンターのオペレーターが顧客の試算内容を共有しながら電話対応するもので、同種のサービスとしては保険業界で初めて。チーフ・オペレーティング・オフィサーの木島博征氏は「当社のオムニチャネル戦略の一環として、コールセンターのサービス向上のため導入した」と語る。
今回導入した「Callクレヨン」はTISが提供するウエブ・電話連動型顧客接点強化ソリューション。顧客がウェブ画面上で保険料を試算し、不明な点があった場合に「電話で相談」というアイコンをクリックすると、試算データがCallクレヨンのサーバーに送られ、画面にはサーバー上のデータとひも付けられた顧客専用の電話番号が示される。その番号に電話をすると、応対するオペレーターのパソコン画面に顧客の試算情報が表示(共有)される仕組みだ。ここにはTISの特許技術「Phone
Cookie」が活用されている。
専用の電話番号が表示されることでコールセンターへの誘導がスムーズになり、画面上の情報を共有するオペレーターが顧客の要望に即座に対応できることから、顧客の中途離脱を防止する効果がある。導入に際してはオペレーターの業務負荷もほとんど変わらないため、研修期間も短期間で済む。
同社は開業以来ネット専業≠営業スタイルとして掲げているが、近年、複数のコンタクトポイントで顧客に接していくオムニチャネル戦略をテーマに掲げている。顧客と双方向のコミュニケーションを図るコンタクトポイントを増やすため、コールセンターでの新たな顧客接点として、TISからCallクレヨンの提案を受けて導入を決めた。
CS推進部事務企画課長の清水道高氏は新サービスの検討に当たり、ウェブサイト上のアイコンをクリックするだけでオペレーターと画面上の情報を共有しながら電話で会話する同サービスが、ウェブと電話の融合という自社のニーズに最も適していると感じたという。また、導入までのスピードが速いことも決め手となっており、決定から2カ月半ほどでシステムが稼働した。
導入後の1カ月でCallクレヨンを経由した入電件数が約1割増加した。顧客からの反応も徐々に出始めており、画面上の情報が即座にオペレーターと共有されていることについて、「そんな技術があるとは驚いた」「こちらの情報がスムーズに伝わって話しやすい」といった感想が寄せられているという。一方、対応するオペレーターからも、画面上の情報を踏まえて対応できるため話を進めやすいと歓迎の声が挙がっている。
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[2014-11-11]
生保各社、代理店強化で市場に対応
近年、生保会社の代理店強化が目立つ。積極的な代理店の増加や、チャネルの中での位置付けを高め新マーケットの創出・拡大の役割を担わせようとする一方、窓販専門会社としてスタートした会社が代理店を拡充し市場開拓を進める動きも出ている。各社の対応を探った。
販売チャネル5種体制のアクサ生命は、世界規模のアクサグループが代理店営業チャネルに大きな期待を寄せており、グループのマネジメント・コミッティーで日本の同チャネルへの成長に向けた投資を承認。2020年・東京オリンピックの年に代理店ビジネスで業界のトップ3に入ることを目標に掲げた。
代理店とダイレクトを2本柱とするオリックス生命は、代理店数を今年3月末の約9200からできるだけ早期に約1万5000まで増やしたいとしており、代理店との接点を増やすために「代理店支援室」を創設している。
営業職員を主軸チャネルとしている大手生保による代理店強化の動きも顕著だ。日本生命では、税理士、保険専業代理店、かんぽ生命、日本郵便、金融機関の関係代理店などを中心に業務委託契約を締結し、主力販売チャネルの一つとして全国に代理店ネットワークを展開。代理店数は、13年度末で1万2089(金融機関代理店除く。前年度末比778店増加)までに拡大した。代理店をサポートする担当者を全国に約500人配置し担当者の能力アップに向けた教育プログラムも整備している。
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[2014-11-10]
フィッチ、国内損保による大規模自然災害の損失抑制の動きをリポートで予測
フィッチ・レーティングス(フィッチ)はこのほど、「国内損保各社は大規模自然災害による保険損失の抑制に動く」とする内容のリポートを発表した。日本国内で発生する自然災害の頻度と規模が増大していることを背景に、損保各社は保険損失を抑制するためにリスク管理を高度化しており、こうした取り組みは今後、各社の業績改善に寄与するだろうとしている。
保険損失抑制のためのリスク管理の取り組みの中でも、特に台風に対するリスク管理の高度化は、幾つかの深刻な豪雨被害の発生に加え、地球温暖化を要因に今後一層、頻繁かつ激しい台風が発生するとの予想を受けたものだ。
例えば、2014年10月6日に首都圏を襲った台風18号(ファンフォン)は、中部地方に豪雨と記録的な暴風をもたらし、中部地方および東日本で100万人以上が避難勧告の対象となった。台風18号の付保損害額は対処可能な範囲にとどまる可能性が高いものの、フィッチは、国内損保各社が自然災害、特に台風による保険損失を抑制する措置の検討を始めていることに注目している。
火災・風水災などの損害を補償する住宅向け火災保険の中には、従来補償期間を住宅ローン返済期間に合わせて設定するものがあったが、国内損保各社は近々、これらのリスクの補償期間を最長10年に改める予定だ。この変更は15年度第3四半期以降に実施される可能性が高く、損保各社にとっては、自然災害の多発・大型化傾向を織り込み保険料を見直す機会となるだろう。現在の慣行では、当該商品の保険料は補償期間を通じて変動しない。
また、国内損保各社は15年度以降、火災・風水災などのリスクを補償する保険商品の保険料率を引き上げる計画だ。損害保険料率算出機構は14年7月に、これらの保険商品の参考純率を平均で3.5%引き上げると発表している。さらに、一部の損保会社では、国内の大規模自然災害リスクの保有を削減し、海外の再保険会社への出再や、キャットボンドの発行を増やすことも検討している。
国内損保各社の収益は、自動車保険の保険料率引き上げを主因として、過去2年間で回復しつつある。
しかし、国内損保セクターの業績は依然として大規模自然災害の発生に影響されやすく、このことが資本バッファーをき損させる可能性がある。リスク管理を高度化するとともに、自然災害による保険損失を抑制する取り組みと、自動車保険の保険料率を緩やかながら一段と引き上げる計画がなされていることは、今後の国内損保各社の全体的な業績改善に寄与するとみられる。
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[2014-11-07]
ライフネット生命、豊通保険パートナーズと提携しフリーランスに保険提供へ
ライフネット生命は、保険代理店大手の豊通保険パートナーズ梶i愛知県名古屋市、松下剛社長)と代理店契約を締結し、フリーランス(個人事業主・自由業)などに保険加入機会を提供する。傷病手当金、団体保険などのセーフティネットが不十分なフリーランスに、保険を通して支援するのが目的。第1弾として11月5日から、クラウドソーシングサービス(注)の「クラウドワークス」に登録するフリーランス23万人に対して、会員ページを通じて保険商品販売の案内を開始した。
同社は、団体保険の運営ノウハウを保有する豊通保険パートナーズと提携して、セーフティネットが不十分なフリーランスを支援する。クラウドワークスに登録する188業種、23万人のフリーランスの福利厚生サービスとして、同社の手ごろな保険料の保険への加入機会を提供するとともに、豊通保険パートナーズがお金や保険のセミナーを開催し、安心して仕事に向き合うための環境を作る。
経済産業省・中小企業庁の調査によると、日本国内におけるクラウドソーシングサイト会員数は増加傾向にある。相対的に情報弱者だった個人が、インターネットの普及でさまざまな情報を取得活用できるようになったことで、特定の企業や団体、組織に専従せずに働くフリーランスという新たな働き方が増加しているためだ。
しかし、病気やけがで長期にわたって療養が必要になった場合、会社員であれば健康保険の傷病手当金で最長1年6カ月の間保障されるが、フリーランスには傷病手当金が適用されない。「傷病手当金」「厚生年金」などの保障がないことに加え、大手企業グループや官公庁に福利厚生制度として導入されている従業員・家族を対象とした割安な保険制度「団体保険」も、フリーランスなどの個人には適用できないなど、会社員などに比べセーフティーネットが乏しいのが現状だ。
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[2014-11-06]
SBI損保が15年3月期第2四半期決算説明会開催、保有契約69万件に
SBIホールディングスの北尾吉孝社長は、10月30日にザ・キャピトルホテル東急で開催した2015年3月期第2四半期決算説明会の中で、SBI損保の保有契約件数(計上ベース)が約69万件になったことを明かした。前年同期比で14.9%増加しており、元受収入保険料は同11.2%増の127億7600万円となった。
税引き前利益(IFRSベース)は約4億円の赤字。11年以降、再保険や業務委託の抜本的な見直しなど、収益力向上に向けたさまざまな取り組みを実施した結果、14年第1四半期に開業以来初の四半期黒字を達成したが、今四半期では、新規契約の拡大に伴う責任準備金の繰り入れが影響し、マイナスとなった。
コンバインド・レシオは第2四半期累計で94.6%と、14年3月期決算の98.8%から大幅に改善。事故頻度が減少傾向にある一方で、バックオフィス業務の省力化などによって事業費率が低下した。
今後の取り組みについては、SBIグループや投資先企業との連携によるがん保険販売の強化など、新たなシナジーの発揮を軸に成長を図る。北尾氏は「保険事業は収益を黒字化するのが難しく、ここまで来るのに8年かかったが、16年3月期の通期黒字はほぼ間違いないとみている」と述べ、今後の成長に自信を示した。
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[2014-11-05]
楽天が条件満たす会員にがん保険を無料提供
楽天は11月4日から、条件を満たしている楽天会員を対象に、グループ会社の楽天生命が新たに開発した「楽天ミニ保険 ガンプラン」の提供を始めた。
楽天会員のロイヤリティプログラムの一環で、がん(悪性新生物)と診断されると見舞金として「ガン診断給付金」5万円を受け取ることができる。保険期間は1年間で、楽天が保険契約者となり、保険料を全額負担する。
まずは、ゴールド会員以上(ダイヤモンド・プラチナ・ゴールド)で、かつ楽天カードを保有している楽天会員に案内し、その後順次広げていく計画。加入に当たっては、20歳から69歳までの年齢制限、過去にがん罹患(りかん)歴がないことなどの条件がある。申込日(契約日)から90日間は免責期間で、91日目以降から保障が始まる。上皮内新生物は対象外。
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[2014-11-04]
損保ジャパン日本興亜ヘルスケアサービスが海外駐在員のメンタルヘルステーマにセミナーを開催
損保ジャパン日本興亜ヘルスケアサービスは10月24日、東京都新宿区の損保ジャパン日本興亜本社ビルで「グローバル企業のためのメンタルヘルス対策」と題したセミナーを開催した。企業経営者、人事労務部門、産業保健スタッフなどを中心に約250人が参加し、海外進出に伴うメンタルヘルス対策の重要性について理解を深めた。
はじめに今井達也社長が「企業のグローバル化は連日メディアをにぎわしている。一方、海外駐在員の働く環境はますます厳しくなっており、活躍を期待される若手世代が海外駐在を敬遠している傾向がある。企業は海外駐在員のメンタルヘルスケアについて今後一層、考慮する必要がある」とあいさつした。
第1部では、関西福祉大学大学院社会福祉学研究科教授の勝田吉彰氏が「海外派遣者のメンタルヘルスの実際と対策〜新興国のメンタルヘルスを中心に〜」をテーマに講演した。同氏はまず、「異文化適応過程は、移住期、不適応期(不満期)、諦観期、適応期、望郷期という段階をたどる。そのステージにより的確なアドバイスや対応を行うべき」と提案。赴任前に日本国内の相談先(社内の相談担当者や各電話相談ライン)を明確化すること、海外旅行傷害保険の加入、メンタル疾患の基礎知識を研修などで理解が確認できてから送り出すべきだと話した。
また、着任後、2〜6カ月は特に体調に注意する期間とし、長期的ケアとしては「帰国して日本語によるケア」が大原則とした。その上で、事例を紹介しながら「先進国では文化的要因が問題となるケースがある。それをある程度のレベル以上の医師は理解しているが、若手医師によってはその重要性を理解していない。また、抑うつ状態・幻覚妄想状態などにある場合、外国語能力・表現力に支障があり、細かい部分が伝わらない」と指摘。一方、発展途上国における問題点を、専門医の不足や看護スタッフの教育水準の問題をはじめ日本人の利用に適する医療機関があまりないことにあると述べた。
第2部では西村あさひ法律事務所パートナー弁護士の森本大介氏が「海外事業展開に伴い増加するメンタルヘルスリスクと日本企業における留意点」をテーマに講演した。
同氏は「海外勤務者のメンタルヘルス問題に起因して紛争になった場合、そもそもどこの国に訴訟が係属するのか判断するのが難しいケースもある。また、訴訟制度は国によって異なるため、日本以外で訴訟になった場合、日本での常識が通用しない可能性がある。紛争になった場合、和解を目指すのか、争うのかも重要なポイントの一つだ」と説明。今後、海外事業展開に伴い、現地に赴任する従業員のメンタルヘルスリスクは無視できないものになるとし、「対応を誤れば企業にとって大きなリスクとなる可能性がある。他方でメンタルヘルス問題を恐れ、積極的な事業展開を避けることは好ましくない。事前に体制を整備し、その後も定期的に状況を確認するなどにより、メンタルリスクを軽減し、事業展開のメリットを追求することができる」と結んだ。
第三部では、損保ジャパン日本興亜ヘルスケアサービス取締役コンサルティング本部長の矢野一氏が「海外進出に関するサポートソリューション」について講演し、海外駐在員向けメンタルサービスや同グループの海外駐在員向けサービスについて説明。また、国内外連携の必要性や国内産業保健の最新動向について解説した。
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